夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『嘘八百』

2018年01月22日 | 映画(あ行)
『嘘八百』
監督:武正晴
出演:中井貴一,佐々木蔵之介,友近,森川葵,前野朋哉,堀内敬子,坂田利夫,
   木下ほうか,塚地武雅,桂雀々,宇野祥平,寺田農,芦屋小雁,近藤正臣他

今年は心身共に無理のない映画鑑賞をすると誓ったところですが、
前述の『ナオト・インティライミ冒険記 旅歌ダイアリー2 後編』を観たあと、
地下鉄谷町線に乗車、阿倍野駅から徒歩すぐの阿倍野区民センターへ。

昨年末、高校時代のクラブの忘年会で先輩方に話したんです。
寄席に行っても普通のお客さんみたいに笑えないんです」と。
「それはな、“落研ずれ”しとるねん」と先輩。
「ほなら、落研ずれしていても笑える噺家さんって誰ですか」と尋ねたら、
「たまちゃんはオモロイで。オモロイのはオモロイ」とのお返事。
オモロイのはオモロイ。すごく上手だという意味ではないと受け取りましたが、
落研ずれしていても笑えるのなら、一度は聴いてみなくては。
で、笑福亭たまさんの新春独演会のため、阿倍野へ向かったのでした。

マクラは涙が出るほど笑い、たまさんの落語はまた聴こうと思いました。
それはよかったのですけれど、普通、寄席って2時間かそこらですよね。
13時開演だったから、15時か、遅くとも15時半には終わるやろと思ったら、
なんと冗談のようなほぼ3時間。
寄席の後に映画を予約している私もどないやねんと思うけど、ぜっんぜん間に合わん。
TOHOシネマズ梅田で発券済みだった本作を25分ほど観のがすはめに。
めっちゃ面白かったらもう一度観てもいいしと、あきらめ気分で入場しました。

そんなわけで、冒頭なにがあったかはわかりませんが、
たぶんたいしたことは起きていない模様。

古物商・小池則夫(中井貴一)は、娘・いまり(森川葵)を連れて、
千利休を生んだ茶の湯の聖地、大阪・堺へ。
陶芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)から、蔵に眠る古物の買い取りを頼まれる。
その中に逸品をみつけた則夫は、佐輔にそれを明かさず、
古物まとめて100万円で買い取ったところ、
佐輔を騙したはずの自分こそが騙されていたと知る。

憤る則夫が佐輔の家まで押しかけると、
そこには佐輔の妻・康子(友近)と息子・誠治(前野朋哉)のみならず、いまりまでがいた。
誠治といまりはすっかり親しくなり、どうやら本気で恋しているらしい。
康子からすき焼きでもてなされ、気がつけば酔っぱらって撃沈。

やがて則夫と佐輔は、同じ相手から煮え湯を飲まされた経験があるとわかる。
その相手とは古美術店店主・樋渡(芦屋小雁)と大御所鑑定士・棚橋(近藤正臣)。
佐輔の腕を見込んだ則夫は、樋渡と棚橋に仕返しをしようと考える。
佐輔がつくった茶碗を千利休の作だと偽り、樋渡らに贋物をつかませるのだ。
ついでに一攫千金も狙うため、佐輔の仕事仲間に協力を依頼、準備を進めるが……。

私の2015年のベスト1、『百円の恋』武正晴監督の作品。
このキャストですから楽しくないはずがない。
仕事仲間は坂田利夫木下ほうか宇野祥平ですし。
ついでに阪神タイガースファンならなお楽し。
木下ほうか演じる居酒屋店主の店はタイガース一色。

『百円の恋』に比べると、一気にメジャー化した印象。
その分、一般受けする要素は増えたけれど、
マニアックな楽しさも切なさも控えめといったところでしょうか。

最初の25分を観のがしながらも楽しませてもらいましたが、
その25分を観るためにもう一度は観なくていいかなぁ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする