夜な夜なシネマ

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『チャルカ 未来を紡ぐ糸車』

2018年01月19日 | 映画(た行)
『チャルカ 未来を紡ぐ糸車』
監督:島田恵

ナナゲイで3本ハシゴの3本目。
これが2017年最後に観た作品でした。

青森県六ヶ所村。
監督はここで十数年間を過ごしたそうです。
本州の最北、下北半島の付け根にある村で、人口は1万1千人。
核燃料サイクル基地として、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物埋設センター、
高レベル放射性廃棄物貯蔵管理センター、再処理工場から成る4つの施設があります。

チャルカとはインドの手紡ぎ機「 糸車」のこと。
インド独立の父ガンジーが人々が生きて行くためには自給が大事なのだと説き、
自ら手で紡ぐことを勧めたそうです。
六ヶ所村で自給自足を実践する住民にも取材。
核燃問題に取り巻かれつつも、この村で生きていこうとする人々。

本作では六ヶ所村のみならず、核のゴミ捨て場となっている国内外の各地を訪ね、
核のゴミを地球の未来に残してもよいのかどうかを問うています。

施設ができれば雇用が生まれる。
賛成派と反対派が必ず存在して、亀裂も生まれる。
自分たちの死んだあとのことなど知ったことではない、
今さえよければと思いがち。実際のところ私だってそう。
でもそれではいけないんだろうなぁとこういう作品を観るたびに思うのですけれど。

ナナゲイは、いろんな問題を提起してくれる劇場です。
これまでも、これからも。

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