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『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の15本目@西宮)

2018年01月06日 | 映画(や行)
『ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命』(原題:The Zookeeper's Wife)
監督:ニキ・カーロ
出演:ジェシカ・チャステイン,ヨハン・ヘルデンベルグ,ダニエル・ブリュール,
   マイケル・マケルハットン,イド・ゴールドバーグ,ゴラン・コスティッチ他

TOHOシネマズ西宮で4本ハシゴのラスト。
前述の『妖怪ウォッチ』で睡眠バッチリ、万全の状態で(笑)。
この日1本目に観た『否定と肯定』の次に期待していた作品です。

結論から言って、『否定と肯定』のほうが好きでしたけれど、
本作もやはりナチスドイツに関わる物語で、見応えがありました。
原作はダイアン・アッカーマンのノンフィクション、
『ユダヤ人を救った動物園 ヤンとアントニーナの物語』。実話に基づく。

1939年、ポーランド・ワルシャワ
ヤンとアントニーナ夫婦はヨーロッパ最大規模の動物園を運営している。
どの動物にも変わらぬ愛情を注ぎ、動物たちもそれをわかっているかのよう。
一人息子のリシャルトも動物たちを可愛がっている。

しかし、ドイツがポーランドに侵攻して第二次世界大戦が勃発。
動物園の存続が危うくなったところへ、ヒトラー直属の動物学者ヘックが現れる。
ヘックが言うには、本来ならすべての動物が銃殺されるが、
自分が希少動物を救いたいと進言する、共に動物園を存続させようとのこと。
ヘックは明らかにアントニーナに下心を抱いているようだが、
動物を見捨てることはできないから、この状況下では仕方がない。

一方、ユダヤ人は次々とゲットー(ユダヤ人強制居住区)に連行され、
ヤンとアントニーナの友人たちもその中に含まれていた。
なんとか彼らを救出したいと考えたヤンは、動物園に匿うことを決意。

ヤンは、ドイツ兵たちが食糧に困らぬようにしたいからとヘックに告げ、
希少動物以外は銃殺されてしまった動物園で養豚を始める。
飼料はどうするつもりかと問われ、ゲットーの食べ残しを回収すると答えるヤン。
食べ残しのゴミの中にユダヤ人を隠し、動物園へと運び込むのだが……。

ユダヤ人を匿っていることがバレれば、自分たちも殺されるというのに、
迷うことなく救出に努めた一家。
まだ幼いリシャルトの存在も大きく、やってきたユダヤ人たちの心を穏やかにします。
少しでも尊厳のある生活を。そんな夫婦の思いが伝わってきました。
夫婦の絆が崩れそうになることもありますが、
それを乗り越えて救われたユダヤ人は300人にのぼるとのこと。
どの国にもこんな良心を持つ人がいたのですね。
こういう作品を観るたびに思い出す、
「戦争が終わったときに、恥ずかしい人間になってはいけない」という言葉。

こんな美談に余談、恐縮ですが、
幼年から少年に成長してリシャルトを演じる子役が交代したとき、
めちゃめちゃ可愛かった子がかなりポッチャリさんになっていて引きました。(^^;

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