夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

好きだった映画、嫌いだった映画〈2017年〉

2018年01月01日 | 映画(番外編:小ネタいろいろ)
2017年に劇場鑑賞した作品は250本ちょうど。
DVD鑑賞した作品は71本で、合計321本。
劇場鑑賞の本数は2016年とほぼ同じでしたが、DVD鑑賞の本数が激減。
劇場では4本ハシゴできても、家でおとなしくDVD4本連続はもう無理。
自宅に映画専用のシアターでもつくれんかなぁ。

さて、一昨年から決めてみることにした私の年間ベスト。
劇場で鑑賞した作品に限ります。
2015年は222本の中からなんとか10本選び、
2016年は254本の中から10本には絞れず、15本。
2017年も15本選んでみます。

その前に、ベストよりも選ぶのが簡単なワーストを。
なんといってもぶっちぎりのワーストは、

『ジュリーと恋と靴工場』

あと4本、嫌いだった作品を選ぶなら以下のとおり。
観た順なので、上から順に嫌い度が高いわけではありません。全部嫌い。(^^;

『素晴らしきかな、人生』
『レイルロード・タイガー』
『フィフティ・シェイズ・ダーカー』
『ザ・サークル』

ベストの15本も観た日付順に。

『マグニフィセント・セブン』
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う』
『パッセンジャー』
『はじまりへの旅』
『ハードコア』
『スウィート17モンスター』
『マンチェスター・バイ・ザ・シー』
『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』
『ベイビー・ドライバー』
『新感染 ファイナル・エクスプレス』
『50年後のボクたちは』
『ドリーム』
『ゲット・アウト』
『MASTER マスター』
『Mr. Long/ミスター・ロン』

番外で、『泥棒役者』
なにしろ貧血を起こしてまで観た作品ですから。

なんとか絞り込んだ15本以外に、好きとか嫌いではなくて、
どうしても忘れられない作品があります。それは次の10本。

『わたしは、ダニエル・ブレイク』
『哭声/コクソン』
『ノー・エスケープ 自由への国境』
『光をくれた人』
『ライフ』
『ウィッチ』
『ローサは密告された』
『オン・ザ・ミルキー・ロード』
『わたしたち』
『彼女がその名を知らない鳥たち』

大笑いしたのは次の2本。もう一度観てもめっちゃ笑うと思います。

『ボン・ボヤージュ 家族旅行は大暴走』
『LUCK-KEY/ラッキー』

主演女優賞は、『勝手にふるえてろ』の松岡茉優に。
それと、『女神の見えざる手』のジェシカ・チャステインも凄かった。

ついでに、2017年に読んだ本は166冊。
ベスト3は『雪の鉄樹』『ダイナー』『容疑者』

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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2017年12月に読んだ本まとめ

2018年01月01日 | 映画(番外編:映画と読み物)
2017年は166冊読みました。
〆となったのがなんともいえない1冊で、久しぶりに「ちがう意味で涙目」に。

2017年12月の読書メーター
読んだ本の数:13冊
読んだページ数:3606ページ
ナイス数:1058ナイス
https://bookmeter.com/users/762098/summary/monthly

■出雲のあやかしホテルに就職します(2) (双葉文庫)
妖怪や神様が滞在するホテルの話、第2弾。前作は妖怪が主だったのに対し、本作は神様が頻出。神様をもてなすための企画に頭を悩ませるスタッフたち。神も人間も同じものを喜ぶのか、いやむしろ、人間にとっては普通のものでも神にとっては珍しいものなのか、秘湯ツアーとか編み物レッスンとかバレンタインのチョコレートフェアとか。第1弾に比べるとおとなしめでいささか退屈。第3弾も読むかどうかは悩むところだけど、主人公の見初と冬緒の恋の行く末が気になるから、結局手を出してしまいそうな。いちばん見たいのは、風神雷神のライブでしょ。
読了日:12月01日 著者:硝子町玻璃
https://bookmeter.com/books/11777937

■乙霧村の七人 (双葉文庫)
「戦慄のホラー・サスペンス!」の惹き文句にこの表紙絵。怖っ。この著者でなければ手に取らなかったろうと思います。22年前に辺境の集落で起きた一家惨殺事件。犯人も斧で頭をかち割られて死亡。大学生が物見遊山に訪れたら、事件の犯人とあまりに似た男が現れる。非科学的なことなど何もないサスペンス・ミステリー。犯人は読めるうえに、読み物に私が欲する「切なさ」にも欠けるけど、最後までぐいぐいと読ませるのはさすが。初版の283頁目の誤字は最悪。「アンタ、誰やねん」と唖然。このせいでテンションがダダ下がりなので、ぜひ修正を。
読了日:12月05日 著者:伊岡 瞬
https://bookmeter.com/books/12288022

■絶対泣かない (角川文庫)
裏表紙からめくって、著作一覧に『きっと君は泣く』とあるのを見て笑う。それに対しての『絶対泣かない』なのか。だけど泣かないわけにはいかなくて、本作の登場人物は数人を除いてほとんど皆、泣いています。1人10頁ちょい×15人、さまざまな職種の女性たち。読んでいるこちらも涙を誘われる良い話が続いたかと思ったら、どう解釈してよいかわからず呆気にとられてしまう話もあり。あとがきの「どんなにつまらない仕事でも、それをつまらないと思っているのはあなた自身」という言葉は胸に響く。涙はためずに、泣きたいときは泣けばいいのだ!
読了日:12月08日 著者:山本 文緒
https://bookmeter.com/books/573427

■([お]8-1)おとぎ話の忘れ物 (ポプラ文庫)
本文は約120頁、絵が20数点。最初に樋上公実子の絵ありきで、それをモチーフに小川洋子が大人のおとぎ話を紡いでいます。「ずきん倶楽部」「アリスという名前」「人魚宝石職人」「愛されすぎた白鳥」。エロスを感じさせる絵に、美しくもかなり毒のある物語。これらのおとぎ話が所蔵されているのはキャンディーショップに併設された図書室。ここにおとぎ話が集められた経緯にもイマジネーションを刺激されます。アリスの話にだけは若干乗りづらかったけれど、あとの話は甘美で切なく残酷。この毒を好んでくれる人への贈り物にしてもよさそうな。
読了日:12月12日 著者:小川 洋子
https://bookmeter.com/books/4671450

■闇に香る嘘 (講談社文庫)
実は数カ月前に相当お酒の入った状態で読みはじめたら、ちっとも頭に話が入ってこなくて断念。半ば辺りまで進めていたものを中断。このたび改めて最初から読んだら、えっ、こんなに面白かったのと驚き。視力を失った主人公は、孫娘に腎臓を移植したいが適合しない。幼い頃に満州で生き別れた兄が中国残留孤児として帰国、今は母と暮らす彼に適合検査を頼むが……。シャンとした頭で読めば、満州の情景も目の前に広がる壮大なドラマ。疑いの念ばかりを募らせていた主人公。本当は悪人なんていないのに。絆は血に勝る。くれぐれもお酒は適度に(笑)。
読了日:12月16日 著者:下村 敦史
https://bookmeter.com/books/11097510

■勝手にふるえてろ (文春文庫)
試写会で映画版鑑賞後、芥川賞受賞作家って凡人の私にはついていきづらいのよと思いつつ読む。片想いの相手が「イチ」だから、コクってきた相手を「ニ」と名付けたり、駄目出し&アドバイスされたときのことを「頼んでもいないのに目の前で鳩を出された気分」で、「この鳩は私が育てなあかんのか」と思ってみたり、前世がおでんの具だったのかもしれないと想像したり、この感性は大好き。それにしてもこの映画版はエライ。先に観ていなかったら、私は原作にここまで入り込めなかったかも。松岡茉優の素晴らしき脳内変換。イタくて切なくてカワイイ。
読了日:12月17日 著者:綿矢 りさ
https://bookmeter.com/books/5195835

■トラットリア・ラファーノ (ハルキ文庫 う)
書店を覗けば、それだけで平積みの台がつくれるほどグルメ小説だらけで食傷気味ながら、JR元町駅北側の雑居ビルの中、窓から高速道路が見えるイタリアンという設定に惹かれて。兄弟と妹で経営する店、語り手はホール担当の次男。高校時代の同級生男女が別々に来店、静かな三角関係が明らかに。よくある日常ミステリー系ではなく、料理の描写と青春の回顧。悪くないけど何か物足りんと思ったら、これだけピンポイントなのに関西弁じゃないからだわ(笑)。そのせいでリアルさが薄い。全国的にはこのほうがいいのでしょうが、私には塩胡椒が足らん。
読了日:12月19日 著者:上田早夕里
https://bookmeter.com/books/12547925

■バッタを倒しにアフリカへ (光文社新書)
バッタに食われてこそ本望。そんな著者が、バッタの大発生のせいで飢餓に陥るアフリカへ。バッタにまみれながらアフリカを飢饉から救えるなんて。期待に胸を膨らませてモーリタニアまで飛んだのに、「バッタ運」悪く、バッタの大群なかなか現れぬ。バッタに出逢うまでの話も面白ければ、一夫多妻制の国のこと、現地で雇った運転手が第二夫人と揉める様子など、とにかく楽しい。そして母親から持たされた薬の写真と京大の面接の話にはホロリ。大自然に身を委ねるしかない職業は確かに過酷。好きなことをとことん突き詰めようとする姿って、いいなぁ。
読了日:12月21日 著者:前野ウルド浩太郎
https://bookmeter.com/books/11816121

■シングルベル (朝日文庫)
数年前にこの著者にハマり、著作全部を大人買い、多すぎてなかなか読破できず。このタイトルなのだから、いま読んでおかないとまた来年送りになりそうで着手。そうしたら、濁点はないからクリスマスの話じゃなかったりして。独身のわが子の見合い相手を親が探すお見合いセミナー。渋々参加したアラ還の男を語り手とする話から始まり、同セミナーの参加者を親に持つ娘や息子たちにバトンタッチ。おばあちゃま三姉妹、暴走しすぎ(笑)。終盤の説明が若干長すぎるとは思いましたが、安定の楽しさ。終わってみれば、やっぱりきっちりメリークリスマス。
読了日:12月24日 著者:山本幸久
https://bookmeter.com/books/5112092

■妻を殺してもバレない確率 (宝島社文庫)
意地の悪い話を期待して読みはじめたら、なんだこのいい話は(笑)。「未来予測システム」なるものがある近未来。といってもSFめいたところはありません。表題の確率ほか、「あの子が同じ電車に乗ってくる確率」「彼が奥さんと別れる確率」「娘に彼氏ができる確率」などなど。突飛なところでは「空から女の子が降ってくる確率」なんてのも。どこか自分を好きになりきれない主人公たちが、確率を確かめて一喜一憂しながら過ごす日々。表示される確率がどうであれ行動に出ること。たとえ相手が素直に答えてくれなくても、聞くこと自体に意味がある。
読了日:12月26日 著者:桜川 ヒロ
https://bookmeter.com/books/12304083

■小説 星守る犬 (双葉文庫)
映画版は公開時に観ましたが。原作が漫画だったとは知らず、しかもそれを原田マハが小説化しているなんて全然知らず。わずか160頁の薄い本。だけどそこに盛り込まれた犬と飼い主のおじさんの話は、その頁数が無限であるかのように心に染み渡ります。幼い子どもの希望である家族に飼われることになった1匹の犬。幸せな家庭だったはずなのに、いつしか家族がバラバラに。生涯をその犬と共にしたのはお父さん。涙をあおることなく淡々と。いちばん驚いたのは、原作の著者が『後妻業の女』の漫画版もお描きになっているということ。それも読みたい。
読了日:12月27日 著者:原田 マハ,村上 たかし
https://bookmeter.com/books/8105045

■極楽プリズン (幻冬舎文庫)
なんでもありの半太さん、もう多少のことではこっちも驚きません。今回の主人公はバツイチの理々子。終電を逃してふらり立ち寄った路地裏のバーで、柴田という男の話に思わず聞き入る。柴田は恋人を殺した無実の罪で服役中で、今は脱獄中。彼が投獄されているのは極楽のような刑務所で、脱獄も自由。んなアホな。来るで来るで半太節、と思ったけれど、既視感のある映画や本を混ぜた感じ。しかしなんでしょうね、悪夢も極限も極楽ももうええって!と思うのに、気づけば私はまた半太を読んでいます。軽さと無茶振りと平和なオチに惹かれてしまうのか。
読了日:12月30日 著者:木下 半太
https://bookmeter.com/books/12343027

■臣女 (徳間文庫)
くっすん、今年最後に読む本にこれを選んでしまったなんて。想像力を働かせながら読むとエライことに。何も想像せずに読み進めようと思うのに、ついつい想像して涙目に。夫の浮気が原因で巨大化していく妻。罪の意識から妻のそばを離れられず、世話を続ける夫。骨が音を立てて成長。排泄、寄生虫、不衛生な部屋。下ネタは嫌いじゃないし、むしろ好きなほうですけれど、う○こまみれはきつすぎる。エロの表現が文学的で、ところどころ三島由紀夫を思い起こしたりするものの、それ以上に作品から漂う異臭。エグくてピュア、まさに怪作。助けて(泣)。
読了日:12月31日 著者:吉村 萬壱
https://bookmeter.com/books/11113266

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