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夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『シン・シティ 復讐の女神』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の15本目@梅田)

2015年01月20日 | 映画(さ行)
『シン・シティ 復讐の女神』(原題:Sin City: A Dame to Kill For)
監督:ロバート・ロドリゲス,フランク・ミラー
出演:ミッキー・ローク,ジェシカ・アルバ,ジョシュ・ブローリン,ジョセフ・ゴードン=レヴィット,
   ロザリオ・ドーソン,ブルース・ウィリス,エヴァ・グリーン,パワーズ・ブース他

連休最後の日に2本ハシゴ。前日に続いてTOHOシネマズ梅田にて。

どうでもいい話なのですが、数カ月前に大阪ステーションシティシネマへ行ったさい、
ロビーのスクリーンに映し出される本作の予告編を観ました。
私の真後ろにいた男子高校生数名のグループのうちのひとりが、
その予告編を観て「ジャン・バルジャンや!」と叫びました。
続いて「さすがジャン・バルジャンやな。人気あるからこれにも出てるんや」、
「ほんまやな、誰某に教えたろ」。
え、どこよ、ジャン・バルジャン。1ミリも出てないし。

それからずっと、あの男子高校生たちが誰とヒュー・ジャックマンを間違えたのかが謎でした。
こうして本編を観てもその謎は解けないわけですが、
ヒュー・ジャックマンとブルース・ウィリスを見間違うなんてありえないし、
ジョシュ・ブローリンの可能性もないでしょう。
メイクした顔のミッキー・ロークはさらになし、
だとしたらジョセフ・ゴードン=レヴィットしか残されていません。
まぁ、この中ではいちばん近い顔に思えますが、
頼むよ、男子高校生、この2人では年齢が一回り以上もちがうのだ。
ジョセフがちょっと気の毒だから、間違わんとったげて。

さて、前作『シン・シティ』(2005)から10年が経ちました。
10年経つと、さすがに客が覚えていないだろうと思ったのか、
最初に前作をきっちり思い出させてくれます。とっても親切。

シン・シティの場末のストリップバー“ケイディ”で踊る人気ダンサー、ナンシー(ジェシカ・アルバ)。
前作で自分を救ったジョン(ブルース・ウィリス)は自殺、
ジョンがその道を選ばざるを得なかった理由が上院議員ロアーク(パワーズ・ブース)の存在。
愛するジョンを死に追いやったロアークを必ず殺してやると、ナンシーは心に誓う。
ケイディの常連客で心優しき野獣のマーヴ(ミッキー・ローク)は、そんなナンシーをそっと見守る。

街に流れついたギャンブラーのジョニー(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)は、
その日負け知らずだったのをいいことに、ロアークにポーカーの勝負を挑む。
ツキに見放されることなくロアークにも大勝ちして上機嫌で退店。
だが、ロアークは手下とともにジョニーを追いかけてくると、殴る蹴るの暴行、
ジョニーが儲けた金を全部持って行ってしまう。

一方、しがない私立探偵のドワイト(ジョシュ・ブローリン)は、
自分を裏切って富豪と結婚したエヴァ(エヴァ・グリーン)に未練たっぷり。
エヴァからの連絡にのこのこと出かけると、
彼女は自分の結婚生活がどれほど苦痛であるかをドワイトに訴える。
罠かもしれないと思いつつ、エヴァの魅力に抗えず……。

ところどころに色を入れたモノクロは、前作同様レトロな味わいで○。
バイオレンスに充ち満ちていて、スタイリッシュ。
と、わかっているようでわかっていないカタカナ言葉をいっぱい使いたくなる作品です。

退屈はしませんが、ジョニーの章は無理に取って付けた感もあり、
全体の流れとしてはイマイチに思えました。
しかし、オッサン臭い豪華キャストの中、ジェシカ・アルバが超キュート、
エヴァ・グリーンは見事な脱ぎっぷりで、これだけでも観る価値は十分かと。

物凄い悪女のエヴァに、またしても騙されたと知ったドワイトが
「イカレている」と苦し紛れにつぶやくと、
「そのイカレた女に騙される男のほうがイカレている」。
おっしゃるとおりで。

レディー・ガガもカメオ出演しています。お見逃しなく。
見逃した人、ジョニーにお金をくれた気前のいいウェイトレスの姉ちゃんです。

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『映画 ST 赤と白の捜査ファイル』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の14本目@梅田)

2015年01月19日 | 映画(あ行)
『映画 ST 赤と白の捜査ファイル』
監督:佐藤東弥
出演:藤原竜也,岡田将生,志田未来,芦名星,窪田正孝,三宅弘城,
   ユースケ・サンタマリア,安達祐実,林遣都,瀬戸朝香,渡部篤郎他

『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』の10分後、
同じくTOHOシネマズ梅田本館にて。

TVドラマ版はいつ放送されていたのかも知りません。
しかしこれは初見者に媚びない『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』とはちがって、
初見者カモ~ンな気がして(笑)。
TV版はそんなに人気があったのかとビビるほどの大入りでした。

ある日、囚人を乗せた護送車が交差点内で事故に遭う。
車から逃げ出した囚人はすぐに捕まえられ、事なきを得るが、
警視庁ST(=科学特捜班)リーダーの赤城左門(藤原竜也)が疑問を抱く。
そもそもは囚人を逃がすことが目的だとは思えないというその疑問どおり、
天才ハッカーの鏑木徹(ユースケ・サンタマリア)が信号を操作したゆえの事故だった。

赤城が単独で鏑木の自宅へ向かうと、そこには焼死体となった鏑木の姿が。
ところが、鏑木のPCから赤城の汚職を示すデータが検出され、
赤城は鏑木を殺した犯人として逮捕されてしまう。

赤城の逮捕により、STは解散を余儀なくされるが、赤城が拘置所から脱走。
赤城を捕まえるためにSTが再結成されることになり、
プロファイラーの青山翔(志田未来)、超人的な聴力を持つ結城翠(芦名星)、
優れた嗅覚を持つ黒崎勇治(窪田正孝)、僧侶の山吹才蔵(三宅弘城)、
それに、2日後に昇進のための異動が決まっている百合根友久(岡田将生)が集結するのだが……。

コメントに困るほど、ただただそれなり。
それなりに笑いましたが、劇場で観るほどでは決してなく。
志田未来とか芦名星はこのごろどうしているんだろうと思っていたら、
こういうところでバッチリ居場所を見つけていたのですね。
ちょっとウザイくらいなんですけど。このSTメンバー(笑)。

そんななか、もう変人の役しか回ってこない藤原くん。
彼はやっぱり人気者と見えて、帰りのエレベーターの中でも
「藤原くん、よかったよねぇ」という声がちらほら。
『MONSTERZ モンスターズ』(2014)なんて、彼主演じゃなかったら誰も観てないかも!?……言い過ぎか。

ユースケ・サンタマリアが遠目に私の弟に似てるんです。
そればっかりに目が行ってしまったのでした。

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『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の13本目@梅田)

2015年01月18日 | 映画(さ行)
『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』
総監督:本広克行
監督:塩谷直義
声の出演:花澤香菜,野島健児,佐倉綾音,伊藤静,櫻井孝宏,沢城みゆき,
     東地宏樹,山路和弘,日高のり子,神谷浩史,石塚運昇,関智一他

前述の『96時間/レクイエム』の後、TOHOシネマズ梅田本館へ移動。

これも『宇宙戦艦ヤマト』『仮面ライダー』『妖怪ウォッチ』同様、
フリーパスポート所持中でなければ選択肢にない作品。
昨年話題になった殺人事件の加害者がこのアニメを好きだったとかで、
公開が少し延期されたと聞きました。

大人気アニメだそうで、予備知識皆無で観に行くつもりでしたが、
レビューサイトを見ると、初見の人に媚びない作品だと書かれていて、
まったくついていけないと眠ってしまいそうだから、少しだけ予習。
登場人物の仕事とシステムについてちょっと知っておけば大丈夫。

人々の精神状態や性格傾向はすべて計測されて数値化され、
職業適性や欲求実現のための手段を日本政府が提供するシステム“シビュラシステム”。
シビュラによって、人々が犯罪に関わる可能性まで犯罪係数として計測され、
厚生省公安局刑事課は犯罪係数の高い人を取り締まる役目を担っている。

2116年、同課に配属されて4年の監視官・常森朱(つねもりあけみ)。
日本政府はシビュラとドローン(=労働補助ロボット)の輸出を開始し、
SEAUn(東南アジア連合/シーアン)の首都シャンバラフロートでもシビュラが採用される。
SEAUnは長期内戦状態にあったが、シビュラの導入により落ち着いた様子。

ちょうどその頃、日本に重武装者グループが密入国する。
彼らはシビュラの監視をくぐり抜けてテロ行為を画策するが、
いち早くそれに気づいた常森らによって捕らえられる。
グループの背後には元公安局刑事課一係の執行官・狡噛慎也(こうがみしんや)の影が。
この密入国事件を捜査するため、常森はシャンバラフロートへ向かうのだが……。

結構グロいです。
常森らはドミネーターと呼ばれる大型の拳銃のようなものを携帯していて、
騒ぎが起きると対象者にそれを向け、犯罪係数を測定。
犯罪係数が高いとわかるとただちにドミネーターのロックが解除されてバキュン。
胸や頭の一部を貫くだけではなく、撃たれると体が膨らんで破裂するみたいな。
色合いを暗めにしてグロさは抑えているようですが、それでもゲロゲロ。

ただ、そのグロさ以上におもしろさがありました。
いつの世にも戦いは存在し、独裁者がいて、それに従う者もいれば、
何かがおかしいと抗う者がいる。
テロを画策しているわけでも殺し合いをしたいわけでもない、
自分の身を守るすべを授けているだけのはずの狡噛の苦悶。
エンドロール後のシーンに、『南の島の大統領 沈みゆくモルディブ』(2011)が重なり、
悲痛な思いに駆られました。

そうそう、本作の英語で交わされる会話部分の字幕は戸田奈津子さんでした。
まだまだお元気とはいうものの、字幕翻訳者に新しい名前を見受けることも増えてきたので、
戸田さんのお名前を見るとやはり嬉しくなりますね。

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『96時間/レクイエム』(TOHOシネマズ1ヶ月フリーパスにて鑑賞の12本目@梅田)

2015年01月17日 | 映画(か行)
『96時間/レクイエム』(原題:Taken 3)
監督:オリヴィエ・メガトン
出演:リーアム・ニーソン,フォレスト・ウィテカー,ファムケ・ヤンセン,マギー・グレイス,
   ダグレイ・スコット,サム・スプルエル,リーランド・オーサー他

連休の中日、TOHOシネマズ梅田別館アネックスにて。

前作『96時間/リベンジ』(2012)と同監督&主演。
脚本も前作と同じくリュック・ベッソン&ロバート・マーク・ケイメン。
ロバート・マーク・ケイメンは、“ベスト・キッド”シリーズや“トランスポーター”シリーズの人。

前作ではイスタンブールに乗り込んで犯罪組織を壊滅させた、元CIA秘密工作員のブライアン。
住み慣れたロサンゼルスへ戻り、最愛の娘キムに誕生日プレゼントを渡しに行く。
実はキムは同棲相手ジミーの子どもを妊娠していたが、
父親のブライアンにそれを打ち明ける勇気はなく、
元気のないキムを見て、誕生日プレゼントを誤ったと感じたブライアンは退散する。

意気消沈を隠しつつ、別れた妻のレノーアと連絡を取るブライアン。
その晩、ブライアンのアパートへレノーアがやってくる。
レノーアは再婚相手のスチュアートと上手く行っていない様子で、
心配したブライアンはレノーアにアパートの合鍵を渡し、
独りになりたいときはいつでもここへ来てくれればいいと伝える。

ある朝、レノーアからメールが届き、今から行くからベーグルを買っておいてほしいと言う。
ブライアンが近所のカフェにベーグルを買いに出かけて帰ってくると、
寝室には何者かによって殺されたレノーアの死体が。
誰が通報したのか、すぐに警察がやってきて、ブライアンは元妻の殺害容疑で逮捕される。

ブライアンは警官の隙を突いて逃走。
途中、キムに電話をかけると、レノーアが殺されたことと自分がはめられたこと、
そして今からは誰も信じるなと言い残す。
真相を突き止めるべく、ブライアンは行動を開始するのだが……。

マンネリといえばマンネリ、しかし必ずブライアンが勝つとわかっている安心感。
それでこうして3作とも観てしまったわけですけれども。
以下、ものすごいネタバレです。

怪しい、どう見ても怪しい。顔つきも何もかも。
だけど、前作から存在していた人ですよ。
まさか再婚相手が黒幕とちゃうやろなと思ったら、そのまさか。
レノーアを愛する富豪で、継娘のキムにも何不自由ない暮らしを送らせていた、
前作までは善人そのものと思われたスチュアートを黒幕にしてしまうとは。
マンネリを打破するにはこれぐらいの荒技が必要か。
しかし、あってはならない展開に、開いた口がふさがりませんでした。

ボンクラ刑事がひしめくなか、唯一キレものの刑事ドッツラーにフォレスト・ウィテカー
彼とリーアム・ニーソンを並べたら、知的な一流アクション作品になりそうですが、
なんだか間が抜けていて、それはそれで可笑しい。

このベーグルはとっても美味しそうで食べてみたくなりました。
いきなり団子とかベーグルとか、食べ物ばかりに目が行く今日この頃。

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『百円の恋』

2015年01月16日 | 映画(は行)
『百円の恋』
監督:武正晴
出演:安藤サクラ,新井浩文,稲川実代子,早織,宇野祥平,坂田聡,
   沖田裕樹,吉村界人,松浦慎一郎,伊藤洋三郎,重松収,根岸季衣他

前述の『あと1センチの恋』とハシゴ、同じくシネ・リーブル梅田にて。
同じ「恋」でもあっちは凡庸、こっちのイタイほうが私は断然好き。

松田優作の出身地である山口県で開催された周南映画祭で、
2012年に新設された脚本賞「松田優作賞」第1回グランプリ受賞した足立紳の脚本を、
『モンゴル野球青春記 バクシャー』(2013)や『イン・ザ・ヒーロー』(2014)の武正晴監督が映画化。
オーディションに普通に応募して主演を勝ち取ったという安藤サクラ
共演の新井浩文はかねてから彼女のことを「現役の映画女優でトップ」と評していますが、
ホントにそうだと思います。いやはや、参りました。

一子(安藤サクラ)は弁当屋を営む実家に引きこもり、自堕落な毎日を送る32歳。
1週間前に妹の二三子(早織)が息子を連れて出戻り。
家の手伝いもせず金も入れず、息子とゲームばかりしている一子に二三子が業を煮やし、
姉妹は殴る蹴る物を壊すの取っ組み合いの喧嘩に。
殺し合わないうちにふたりとも出て行ってくれと母親(稲川実代子)から言われ、
一子は「私が出て行く」と家を飛び出す。

安いアパートに入居、就職先として思いつくのは行きつけの100円ショップだけ。
かねてから面識のある店員(宇野祥平)が意外とあっさり採用を通知、
一子は時給高めの深夜バイトにありつく。
通り道沿いの青木ボクシングジムで練習に励む狩野(新井浩文)と目が合うこと数回。
そのうち彼も100円ショップの常連であることを知る。

ある日、狩野からデートに誘われ、勝負パンツを手に入れる一子。
しかしまったく盛り上がらないままサヨウナラ。
狩野の試合をしつこくやかましい従業員(坂田聡)と観戦し、頭の中で何かが閃く。
泥酔して雨のなか倒れていた狩野を看病したのをきっかけに、
ふたりは同棲を始めるが、一子が一生懸命になった途端に捨てられる。

一子はもう狩野の姿はない青木ボクシングジムに入会すると、
無心でボクシングに打ち込み始めるのだが……。

ずたぼろになった主人公がどん底から這い上がる話は珍しくはありません。
これだって凡庸といや凡庸なのでしょうけれども、
そうならないのは人間の描き方が非常に面白いから。
100円ショップの店員はみんなワケありで仕事が長続きしない奴ばかり。
実際にいないけどいるかもしれない妙な奴が、今の社会を表すかのよう。
あまり感情を露出させない一子がかいま見せる表情や仕草、台詞が楽しく、
それに対する狩野のツッコミに笑わされ、泣かされます。

劇場内が笑いの渦に巻き込まれたシーンもいくつか。
狩野が用意した肉を一子が食べるシーンでは、なかなか噛み切れない様子に、
ある客が「どんな肉やねん」とツッコミ。それでまた大笑い。

一子がリングで戦う姿は、涙なしでは見られません。
冒頭のたるんだお尻を思い出せば、この美しく引き締まった体にも感嘆。
イマイチだった『あと1センチの恋』も父親の台詞だけはよかったですが、
こちらの伊藤洋三郎演じる父親も泣かせてくれます。
彼に見せる一子の笑顔にまたホロリと涙。

正月明けからこんな良い映画を観てしまったら、あとが心配です。
だけど、良い1年になりそうな。
エンディングのクリープハイプの曲のタイトルが『百八円の恋』というのもオツ。

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