雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

家は近衛の御門

2015-02-07 11:00:40 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第十九段  家は近衛の御門

家は、
近衛の御門、二条宮居、一条もよし。

染殿の宮、清和院、菅原の院。

冷泉院、閑院、朱雀院。

小野宮、紅梅、縣の井戸。

竹三条、小八条、小一条。



現代文訳は不要の章段です。
家とは、ふつう上流貴族などの大邸宅のことですから、冒頭の「近衛の御門」とは陽明門のことを指しますので不自然として「九重の御門」すなわち内裏だとする説もあります。
一方で、一部は物語や和歌を意識したと考えられるものもあり、邸宅に拘る必要はないという考え方もあります。

いずれにしましても、この章段は、少納言さま自らご案内の、平安の京都ツァーと考える方が自然ではないでしょうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする