雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

山は小倉山

2015-02-17 11:00:48 | 『枕草子』 清少納言さまからの贈り物
          枕草子 第十段  山は小倉山

山は 小倉山。鹿背山。三笠山。
木の暗山、入立の山。
忘れずの山、末の松山、方去り山こそ、「いかならむ」と、をかしけれ。
五幡山、帰山、後瀬の山。
朝倉山、「よそに見る」ぞ、をかしき。
大比礼山も、をかし。臨時の祭の舞人などの、思ひ出でらるるなるべし。
三輪の山、をかし。
手向山、待兼山、玉坂山。
耳成山。



「何々は・・・」という形式は、このあとも数多く登場してきます。枕草子を形成する一つの形態ともいえます。

その最初に「山」が取りあげられているわけですが、私のような素人の愛好者には大変理解し難い章段といえます。
ここには、山の名前が十八列記されていますが、他の伝承では(能因本)三十七あげれているそうです。
ここにあげられている分についても、実在が確認されていないものもありますが、研究者たちの解説を参考にして考えてみますと、古歌や物語などに登場するものの中から、少納言さまがお気に召されたものを選んだように思われます。
そう考えますと、この章段などの本当の面白さは、私などには分からないのだと思います。
まあ、もともと全部理解できるなどと思う方が厚かましいわけですから、ここは、「方去り山こそ、いかならむ」とありますので、「山がどこかへ行くとはどういうことなの」と面白がっている少納言さまの姿を想像することで我慢しましょう。
コメント
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