雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

少々誇らしい

2019-06-27 19:02:48 | 日々これ好日
        『 少々誇らしい 』

     テレビ報道の受け売りで 申し訳ございませんが
     大阪は 厳戒態勢
     警視庁や 他府県からの警察官の姿が 物々しい
     各国首脳も次々と到着
     たった今 トランプ大統領も 伊丹空港に到着した
     大阪が 世界中に発信されていると思うと
     少々 誇らしい

                    ☆☆☆
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

御嶽のご利益

2019-06-27 08:18:39 | 麗しの枕草子物語
     麗しの枕草子物語  
               御嶽のご利益

私たちに取りまして神仏におすがりするということは、まことに真剣なものでございます。
それも、御嶽(ミタケ・吉野金峰山)に御参りするとなりますと、それはそれは大変な行でございます。
何十日も前から精進潔斎に勤め、出立となれば、いかに身分高い御方であれ、とても粗末な身なりにて御参りするものでございます。


ところが、中にはとんでもない御方もおいでのようでございます。
衛門佐宣孝といわれる御方は、
「そのようなことは、実につまらないことだ。皆と同じような衣で参詣したとて、大したご利益などあるまいに。それに、『粗末な衣装で参詣せよ』などと御嶽の権現様が仰せられるはずがあるまい」
と申して、濃い紫の指貫に白い狩衣、山吹色の衣などを仰々しく着飾って、ご子息には、青色の狩衣、紅の衣、手の込んだ模様の水干という袴を着せて、大勢の供を連れて参詣なさったそうでございます。


御参りの途中で行き合った人々は、「この御山で、こんな身なりの人を見たことなどない」と、あきれ果てたそうでございます。
それがですねぇ・・・、彼の御方が参詣から戻られて僅か二か月ばかり後に、筑前守の後釜に任ぜられたのですから、堪りませんよ。
御嶽のご利益とは、なかなかに奥深きものではありますわねぇ。


(第百十四段・あはれなるもの、より)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする