雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

今日も静かに

2021-05-02 18:24:40 | 日々これ好日

     『 今日も静かに 』

   当地は 今日も風が強く 時々小雨
   天候までが ステイホームに協力しているらしく
   それに従って 静かに一日を過ごす
   その中で タイガースのルーキー佐藤選手が
   無観客の甲子園球場で 満塁ホームランを打ってくれた
   せめてもの ご褒美のような感じ

                  ☆☆☆
   
    
   

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裂かれた鯉のぼり

2021-05-02 07:59:41 | 私の好きなフレーズ

   『 まさか自分が生きている間に、ふたたび鯉のぼりを飾るような時代が来るとは思いもしなかったんだよ、ね。』


押し入れの戸を開けると、大きな目玉が睨んでいるように見えるのが怖かったと、男の子がよく言っていた。
それもそのはず、その目玉のような模様は、鯉のぼりの目玉そのものだったんだからねぇ。
           ( 中略 )
戦後になって、値打ちのある着物などは、みんな食べ物に変わってしまったけれど、いくら立派なものでも、鯉のぼりを引き取ってくれる人はいなかった。
結局、家で裂いてしまって、使えるところは、袋や一部は上着やモンペにもしたのと違うかな。でも、頭の部分はさすがに使い道がなく、大きな風呂敷にしていたんだね。
子供たちが怖がっていたのは、真鯉の目玉だったのだよね。
子供が大きくなってから、あの目玉の包みを思いだしては、子供の大切な祝いの鯉のぼりを裂くときは辛かったんだろうなあ、とよく言っていたよ。
そうねぇ、もう、それほどはっきり覚えているわけではないけれど、子供のものを手放すのは辛かったし、鯉のぼりを裂くのも、楽しいはずはないわねぇ。
ただね、鯉のぼりを裂いたところで、たいして役に立つわけでもなく、むしろ、まさか自分が生きている間に、ふたたび鯉のぼりを飾るような時代が来るとは思いもしなかったんだよ、ね。

              ( 「さても このごろは」 より ) 

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