雅工房 作品集

長編小説を中心に、中短編小説・コラムなどを発表しています。

堂々と逞しく・ 心の花園 ( 62 )

2014-08-22 08:00:35 | 心の花園
          心の花園 ( 62 )
               堂々と逞しく

花の木であれ草花であれ、それぞれに自らを美しく装う季節は大体限られているものです。
しかし、四季咲きと呼ばれるバラなどのように、一年に何度か美しい花を咲かせたり、花ばかりでなく新緑や紅葉を楽しませてくれるものもあります。その中で、決して派手ということではなく、花壇の中心になるというわけではないのですが、いつも存在感を示している花があります。「ゼラニウム」です。

「ゼラニウム」は熱帯アフリカやシリア、オーストラリアなどを原産地として二百八十種ほどの原種があり、一年草、多年草、低木とさまざまな性格の物があり、草丈も二十センチ程度の物から一メートルほどの物まであります。さらに、多くの園芸種が生みだされていて、ますます多種多様といえます。
花色は、白、桃、赤、橙などが中心ですが、葉色に特徴のある物もあります。
わが国には、江戸時代末期にオランダから入ってきたようですが、テンジクアオイとも呼ばれていました。
「ゼラニウム」はフクロウソウ科ベラルゴニウム属に属していますが、別にゼラニウム属という区分けも存在しているのですが、これは学問的に分割されたためで、私たちが「ゼラニウム」と呼んでいる物は、学問的には別の属とされても頑強にその名を保っているのも、いかにも「ゼラニウム」らしいと思うのです。

イスラム教では、「ゼラニウム」は、マホメットを称えるために神が創造した花とされ、大切な花とされています。
花言葉に、「愛情」「尊敬」「信頼」などが挙げられているのも、この関係から生まれてきたのではないでしょうか。
宗教的なことはともかく、「ゼラニウム」がいつの季節にも堂々としていて、特に目立とうとしているわけではないのですが存在感があり、安心感のようなものを与えてくれる花といえましょう。
とても育てやすい花ですので、一鉢、二鉢育ててみてはいかがでしょうか。

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