マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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油阪のノガミ

2007年06月17日 08時28分08秒 | 奈良市へ
奈良市大宮町にあるノガミ塚。

もともとは東西に広がる油阪町だったが戦後の行政地名変更で大宮町となっている。

5月末の日曜日、早朝から水利組合(農家組合)の方らが集まり、塚一面に広がる草を刈り取り綺麗に清掃していく。

空き缶やら割れたガラスまで散乱。

神さんの塚やのになんちゅうこっちゃとこぼす組合員。

元々のノガミ塚は道路反対側の西にあったが大宮小学校の創立や道路の付け替え伴い当地に移動したという。

大きく育ったクスノキは40年ほど前に植えられた2代目。

注連縄を飾り漢国神社の神職を迎えてノガミ祭が始まる。

クスノキの周りにサカキ御幣を立てて、前には洗米、塩、昆布、スルメ、根付きタマネギ、ダイコンにリンゴなどの神饌を供えて祝詞奏上、玉串奉奠など厳かに神事される。

田の神を迎え今年も田植えが無事にできるようにと祈る。

昔しは40人ほどだったが農業を営むことが少なくなり今では5人となった組合員。

本来は6月1日だったが田んぼの水張りが忙しくなるころを避けて直前の日曜に行われているノガミ祭。

昭和30年代、農耕の牛からトラクターに大きく変化した。

それまでは飼っていた牛を引き連れ木の周りを三べん廻ったという。

ノガミ祭事を終えると一行は暗渠になっている水路の点検と清掃作業。

佐保川からの水路は遠くまであって昼ころまでかかってしまうとおっしゃる。

(H19. 5.27 Kiss Digtal N撮影)