マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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下永西城キョウ

2007年06月21日 08時00分14秒 | 川西町へ
奈良平野部でのノガミの特徴は子どもと麦藁で作る水の神さんといわれる蛇。

初瀬川(大和川)水系に位置する川西町下永の東城(ひがしんじょ)と西城(にしんじょ)で行われるノガミは「キョウ」と称され、町の無形民俗文化財に指定されています。

長い青竹に巻き付けるようにした西城の蛇。

ウロコ状に巻き付けた蛇の形態は天理市新泉のムカデと似通っている。

蛇は東城と同様に眼は陶器の皿で模したジャジャウマと称するが、西城の蛇は昇り龍を模ったもので雄を表し、東城の蛇は屋型に座ることから雌だといいます。

雌雄形態という点では田原本町の鍵・今里地区の蛇巻き祭事と共通しています。

この蛇はクワ、スキ、三本クワの農具模型(イリク(入句)がある場合はマグワ(カラスキとも)が加わる)とともに前日にオヤトーヤの家で作られます。

朝、糸井神社から神職を迎えたトーヤの家ではコトーヤとともに蛇を担ぎ川を越えたノガミ塚に向かいます。

以前は西のほうにあったが浄化センター公園の建設に伴った東側に移設された。

生い茂るモリの中にはヨノミの一本木。

蛇を斜めに立てかけて、前にはオヤトーヤが持参した神饌(お神酒、洗米、塩、タイ、ダイコン、ニンジン、ゴボウ、シイタケ、菜、コーヤトーフ、スルメ、果物)を供えます。

そして、神職の祝詞奏上、鈴祓いを経て玉串を供えてノガミ祭が行われます。

キョウと呼ばれるノガミ祭。満15歳男子(当人:トーニン)のオヤトーヤの家ではキョウの膳が早朝から準備されます。

イリク(入句とも呼ばれつ当年生まれ男子)の子には塩茹ソラ豆、チシャ菜のオヒタシ、ジャガイモと千切りダイコン、八竹の煮物、ジュース、2個のオニギリ、四角飾りスシメシ、お頭付き折、吸い物、揚げ物と煮物に和え物の三品を揃えた膳。

トーニンやコトーヤには折の代わりに皿盛りとなる膳。

また、以外の子どもらには四角飾りスシメシの代わりに角スシが用意され、昼ころに集まりヨバレます。

キョウは饗とも呼ばれるものでトーヤの家で振舞う祝い、いわゆる元服の儀式でありオトナ入りを意味しています。

(H19. 6. 3 Kiss Digtal N撮影)