マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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井戸野法螺貝が聞こえてくる町

2009年01月21日 08時47分43秒 | 大和郡山市へ
大和郡山市井戸野の金丸講は大峰さんの八代講のひとつ。

金丸講の鉢巻格好で山に登れば羨ましがられるといい、先達などの役員が大峰さんに登る「山講」と、地区60軒の講の家が毎月(実際は講家の都合で飛んだりして年に8回ほどで1月はしない)営む「回り講」のふたつの講がある。

お勤めは夜間に講家で行われる。

今日は神社の祭礼などで流れていた回り講の日。

早朝に集まった子どもたちは、講家で管理されている法螺貝と「リン」と呼ばれる鉦を受け取る。

門口を飛び出した男児三人は口にあてて「プォ―、ブォ―」ト吹き鳴らす。

一人はリンを手に持って歩く。

その振動でリン、リンと鳴り響く。

リンは熊などの獣除けの道具。

山中を駆ける行者講を守る道具だ。

今夜は講のお勤めがあるのだとふれて回る貝吹きだ。

地区を半周すると講家に戻る。

お駄賃よと講家から受け取った子どもたちは飛び出していった。

早朝は講家の方角垣内。

昼過ぎは八幡神社を境にして逆の方角垣内を周回する。

その神社では早朝から氏子らが集まって祭礼が営まれていた。

おそらく新嘗祭だと思われるが尋ねる時間がなかった。

2回目は昼、3回目は夜間のお勤めが始まる前で地区全てを廻って貝を吹く。

後継者の育成を兼ねているというふれまい貝吹き。

小さいころから吹いているので上手いものだ。

体験させることで講の仲間として認める儀式の意味合いがあるのでしょう。

講の家に戻ったらご褒美として駄賃をもらう。

ジュース代といって120円は昼も同額で夜は営のふれまいなので500円にあがる。

(H20.11.23 Kiss Digtal N撮影)