マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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続、日笠十九夜講

2009年01月16日 09時09分07秒 | 奈良市(東部)へ
やわらかい十九夜和讃。

<日笠の十九夜和讃>
きみよう ちょうらい、十九夜の
ゆらいを、くわしくたづぬれば
によいりんぼさつの、せいぐわんに
雨のふる夜も、ふらぬ夜も
いかなるしんの、くらき夜も
いとわず、たがわず きらいなく
とらの二月の十九日

十九夜みどうへまいるべし
十九夜ねんぶつ はじまりで
十九夜ねんぶつ もうすなり
南無あみだぶつ あみだぶつ 南無あみだぶつ あみだぶつ
ずいぶに、あらたに しようじんし
をしよう、しよじのふだをうけ
死してじょうどへ、ゆくときに

みようほうれんげの花咲きて
十方はるかに、しづまりて
ふきくる風も、おだやかに
天より、によいりんくわんぜのん
たまの天がい さしあげて
八まんよじゅんの血の池も
かるさの池と みてとおる

大くわんおんの そのうちに
によいりんぼさつ おじひにて
あまねくしゅじようも すくわんと
六どしじように おたちあり
かなしき、によにんのあわれさは
けさまですみしか、はやにごる
南無あみだぶつ あみだぶつ 南無あみだぶつ あみだぶつ

ばんじがしたの 池の水
すすいでこすは たつときは
天も、地神も、水神も
ゆるさせたまえや、くわんぜおん
十九夜みどうへ 入る人は
長く三づの、苦をのがれ
ごくらく浄土へ、一らいす

まんだら池の ないしょうも
いづるこころも うかれける
今日十九夜とし きくとくに
によがみ いとも ありがたく
自身のおやたち あれありと
すくわせたまへる くわんぜのん
即身成仏、南無阿弥陀仏、阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、阿弥陀仏、

(H20.11.19 Kiss Digtal N撮影)

日笠十九夜講

2009年01月16日 09時06分16秒 | 奈良市(東部)へ
月待ち信仰は特定の日に女性が集まる十三夜、十九夜、二十三夜、二十六夜などがあり、忌み籠もり月の出を待って拝む女人の講は多くの地域で営まれてきた。

今日は十九の日、奈良市日笠町の婦人会の方々が会所に集まってくる。

に(ね)んにょと呼ばれる世話方の年当番さんはお茶の接待にせわしなく動かれて、装飾姿が美しい如意輪観世音菩薩立像に灯明を点けて僧侶を待っている。

会所は元々お寺で帝釈寺の称号がある。

「堂」に出かけるんやというて集まってきた婦人は20名。

山を削ったらお地蔵さんが出てきたので観音さんとともに祀っている。

それをきっかけに始まった十九夜講。

現住職が到着されると本尊会式の法要が始まる。

般若心経を唱えたあとに十九夜和讃が営まれる。

昭和57年に十輪寺の先代住職が転記された十九夜和讃を唱えていく。

「にょいりんぼさつの せいぐわんに 雨のふる夜も、ふらぬ夜も」と、如意輪菩薩に願をかけるやわらかい女人の声が会所に響き渡ると源泉の海に包まれているようだ。

最後は外に出て庚申さん参り。

青面金剛と掘られた石仏に手を合わせる。

木枯らしが吹き、葛城の金剛山に初冠雪となった日は火を点けたストーブがある会所が温かい。

かってイロゴハン(カヤクゴハン)のふるまいがあった十九夜講は子どもも大勢来ていたという。

お茶にお菓子の接待に代わったけれど、にんにょさんの気使いに身も心も温くなる。

(H20.11.19 Kiss Digtal N撮影)