マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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私がとらえた大和の民俗―住―打上の宴in旬味和膳季乃庄

2017年08月17日 08時52分31秒 | メモしとこっ!
平成28年10月29日から12月11日まで開催していた奈良県立民俗博物館企画展の「私がとらえた大和の民俗」写真展

今回で6回目になったテーマは「住」。

手ごわいテーマにカメラマンの実力を発揮する。

今夜は打上の宴。

会場は博物館がある大和郡山市内。

近鉄郡山駅東側を下りて徒歩1分間の地にある旬味和膳の季乃庄だ。

かつて季乃庄は駅前バスローターリーにある西友ビル5階であった。

西友の撤退に伴い移転した旬味和膳季乃庄。

昨年も打上の宴があったが、私は心臓病2度目の入院の身であった。

それから1年後の現在は、といえば完全復帰することなく無難な生活を送っている。

尤も運転許可がでているので専らは相も変わらずの民俗取材に奔走している。

ただ、身体が動いていなければ脈拍は40拍まで届かない低脈拍だ。

そういう状態であっても生きている。

いただいた命は大事にしたい。

生活改善はしようがないが、リハビリ運動をすれば60脈拍前後になる。

つまりは動いておればまったく問題はないということで自宅にいるときは歩行訓練をしている。

季乃庄は我が家から直線距離にして数キロメートル。

ゆっくり駅まで歩いておよそ40分。

帰りは夜遅くなり運行するバスは走っていない。

日曜ダイヤの最終便は午後7時38分。

宴がいくら早く終わってもとてもじゃ間に合わない。

帰りはタクシーと決め込んで自宅を午後5時半に出た。

季乃庄に着いたのは午後6時7分。

まあそんなもんだと思った歩行数は3180歩だった。

会場の季乃庄はいつも予約客の案内をされている。

おっと、ここにも間違いがある「民俗」。

こういうミステークはブログ等でも散見する。

自動ドアに手を触れて入れば先客が座っていた。

いつも皆さん、早いことである。

宴の場は2階。

店員さんに案内されて階段を登る。

すでに人数分の膳の一部が並べていた。



先付けはメヒカリの酢漬けでろうか。

乾杯を合図にいただくスモークはハムなのか。

なんとかそうではないような味覚音痴である。

テーブルに配られた写真展会場でご記入いただいたお手紙。

これまではしたこともないノートに14人もの方々が感想を伝えてくれる。

JNPに所属するMさんが代表を務めるクラブの写真展は度々出向く。

拝見させていただいた写真にいろいろと意見してきた。

Mさんはネットを見ることもない。

写真家なら展示しているでしょ。

そういう場合は展示案内をしてくれたら是非行ってみたいと云っていた。

その声をいただいて葉書を送った。

私がとらえた大和の民俗―住―のポスターを縮小して葉書に印刷。

葉書は申しわけないが年賀はがきの未使用分。

何年か前の未使用だから2円切手を足して投函した。

毎年、送らせてもらっている知人・友人のすべてではないが、近況報告も兼ねて送付した。

解説を担当する日も記して送った。

届いた人は目を白黒されたかも知れない。

そのMさんは12月9日に来てくださっていた。

ありがたいことであるが、写真の批評は次回にお会いするときに聞きたいものだ。

写真展に参加されている鹿谷勲さんをよくご存じのMさんもコメントをしてくださっている。

私が解説日を担当する日に来館されていたことは学芸員から聞いていたので存じていた。

案内状を送ったので気にかけて来館してくださったと思う。

もう一人は大和郡山市の文化財審議官をされている長田光男先生だ。

長田先生も鹿谷勲さんのことは存じている。

嬉しい便りに写真家も。

「ムチ」を打たれた思いになったというSさん。

皆さん方、それぞれの温かい詞は今後の励みになる。

なかでも一番のお気に入りは解説当番をしていたときに訪れていた子供さん。

その日はとにかく多い来館者で溢れていた。

足をとめて見てくださる人や顔見知りの人たちに大きな声で話していた。

うんうんと頷く二人の女児はいつのまにか席についてノートに書いていた。

一生懸命な姿に何を感動してくれたのか、とても気になっていた。

「人のきょかをとって・・・人が写っているとそれだけで心があかるくなります・・・」と書き込んでくれたY・Sちゃんは花マークまで書いてくれた。

妹だと思われる女児も「風景をとっただけでもきれいでこころがあたたまるけど人が入るともっといい写真になるなと思った・・・カメラ目線もいいけど自然体が・・・」に猫ちゃんマーク。

涙が出るくらいに素直な女児の詞がとても嬉しい。

閲覧者は大人が大多数だが、大人にも子供にもわかるように解説させてもらった結果を書いてくれた。

この場を借りてほんまにありがとうを伝えたい。

さて、宴の料理である。

飲み放題のコース会席は4千円。

お造りは小さいが5品盛り。



舌平目のパリパり天ぷらに陶板焼き。



豚バラ肉がちょっとに厚揚げ、エリンギ、カボチャ、ピーマン、タマネギ、モヤシは味噌タレで食べる。

美味しい料理に生ビールはぐいぐい。



一時間後に配膳された白身魚の蒸し料理。

野菜はとうぜんながらの温野菜。

これはポン酢でいただく。

ビールはまたもやぐいぐいで4杯目。

縁もたけなわに時間を忘れる。

このまま解散したら次回はどうなるのか。

ここから始まった議論に活発な意見が寄せられる。

するか、しないのか。

継続するのか、6回目で終わりにするのか・・・。

写真家たちの声は続けたい、である。

1回目を始めたときだ。

当時、担当していた鹿谷勲さんはこういった。

「写真家一人が3点の写真をとらえる。10人が出展すれば30枚。何回か開催することで、60点、90点、120点・・・。集大成すればすばらしい民俗写真集になる。それに向けて・・」と云っていた。

そうありたいと、ここまできた。

テーマがあればあるほどさらにそれぞれのカメラマン目線でとらえた大和の民俗が描写される。

特にこの3年間は「食」、「衣」に「住」だった。

奥は深い民俗は手ごたえがあると感じるようになった写真家たち。

気持ちは続けたい、である。

で、あれば次回テーマは・・・。

私は思っていたテーマを発した。

未だ病に悩まされている心臓病。完全復帰ではないが、死も感じたこともある。再び「生」を授かったと思っている。

ならば、と思った「生」は却下された。

Nさんが云ったのは「水」。

Sさんが云ったのは「生業・仕事」。

私は職人としたいが、範囲が狭められる。

議論は時間切れで延長戦はなし。

さてさてどうなることやら。

ここで解散となってタクシーに乗る。

丁度、午後9時40分。

長い時間であったが有意義だった。

数日後、見ていたテレビは日本のチカラ。

漆掻き研修生の思いや活動の放映を主人公に国産漆は2%になっている状況を伝えていた。

98%は中国産。

劣化は国産よりも早く文化庁は文化財保護に国産漆に全面切り替えたという。

そうだ、「塗」があったんだ。宴の場で出た「色」は却下されたことを思い出した。

ピンときた極めつけの「染」も含めて、塗る・染める民俗だ。

やりがいがある民俗写真の取り組みに拳がぐっと挙がったが・・・。

(H28.12.11 SB932SH撮影)