マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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苣原のみしろ(筵)干し

2020年08月10日 09時27分43秒 | 民俗あれこれ(干す編)
旧都祁村の一村になる白石町取材を終えて平たん地に下る。

白石町から西へ西へと走る広域農道。

どんつき三差路信号は「福住」であるが、以前は「上入田(かみにゅうだ)」表記だった。

信号を左折れ。

目的地は桜井市の鹿路

途中に立ち寄りたい食事処を探しながらの山下りは国道25号線。

その道中に、おっと・・・。

これまでさまざまな干し物を見てきたが、えっ、これは、と思わず口にしたくらいの珍しさ。

道路際にあった金網にかけて干していた筵(むしろ)。

平たん地、山間地問わず、旧村の人たちはみな筵を「みしろ」と呼んでいる。

「むしろ」が訛った「みしろ」。

つい、私も、ふっと口に出る始末。

聞きなれた「みしろ」が、徐々に、すこしずつであるが、体内に染みてきたのだろう。

急停車して車を停めた場所は天理市の苣原町。

これまでなにかと村行事を取材させてもらった苣原町に、初めて見る干し物景観。

ままよく使っているなという雰囲気を醸し出す筵が3枚。

比較的に新しいと判断できそうな筵が5枚。



大きな建物に土蔵景観が美しい旧家の佇まいに馴染んでいるかのように思えた筵干し。

もしかとすれば、であるが、この筵の用途は搗いた正月用の餅を並べていたのでは・・・。

年末に正月の餅を搗く日は、私が聞いた範囲では、だいたいが12月28日。

縁起が悪い数字だから、と29日(※ぶく)を避ける家、地区もあれば、逆に「福」を授かるから29日(※ふく)に搗くという家もある。

尤も、商売繁盛を取り込みたいスーパーなどでは29日を肉の日と称して大売り出し。とらえ方でえらい違い。

(H30.12.25 EOS7D撮影)