マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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井戸野町・地域文化を継承する大注連縄

2020年08月07日 09時29分20秒 | 大和郡山市へ
1時間ほど前に取材していた白土町のゾウガイ注連縄を作っていた男性が云った台詞。

「地区にもう1軒の知人がしているが、他の地域はこんなことしているのかな」である。

朝一番に拝見した大江町のオシメサン

奥さんが例年していると伝えたら、あそこはそうだな、という。

他にはと、云われたので隣村の井戸野町をあげた。

井戸野でたいへん世話になったOさんがいる。

神社や寺に架けた大注連縄のすべてがOさんによるもの。

村の長老が元気な間に皆で教わって文化を継承しようと声があがっていた。

平成22年のころはOさん以外に数軒がしていたが、心もとないから神社や寺係からしていこうと云っていた。

その後はどうなんだろうか。

記憶が蘇って地区集落を車で練ってみた。

集落内は細い道ばかり。

軽自動車でも家の壁の際際を通らなければならない。

細心の注意をはらってハンドルを切る。

辻を曲がったところのお家になんと門松があった。

立派な門屋にこれまた大注連縄が架かっていた。

門松を調製していた当主のAさん。



急なことだが取材させてもらった。

門松のすべてがご自宅に栽培している植栽物。

松、竹、梅にナンテンとかを添えて作った門松。

竹のペイントは試しにしたという。

大注連縄は、といえば長老のOさんに教えてもらったもの。

撚りをしなければならない注連縄よりもこっちの方が作りやすいという。

教えてもらってからは、以降の毎年に自作している大注連縄を門屋に飾っている。

もう5年目になる大注連縄は地域住民の手によって繋がっていた。

ちなみにOさんは90歳。

今もお元気だと聞いてほっとする。

そのOさんは春日大社と直接の関係がある。

一つは春日大社ご指定の神田で米作り。

大社の神職が来られて田植え祭や抜穂際の神事をされる。

大社の許可を得て抜穂祭を撮らせてもらった。

その映像は平成22年12月から翌年の2月まで。

奈良県立民俗博物館で催された特別企画展「大和郡山の祭りと行事」である。

お願いして別途作ってもらった大注連縄そのものを企画展で展示させてもらった。

大がかりな展示物は展示会場を潜る大門のような姿になった。

また、Oさんは若宮おん祭の大宿所入口に注連縄(※大注連縄ではありません)を献上している。

そのことにどなたも気づいていないのが寂しいが・・。

ちなみに玄関前にあった黒塗りの木造箱。



これもまたAさんの手造り。

新聞受けに牛乳配達ボックスにも。

大きな造りは大きな郵便物にも対応できるように思った受け取り箱。

山間地集落によく見る受け取り箱にもいろいろな形態はあるが、この風合いがとても気に入った。

(H30.12.31 SB932SH撮影)
(H30.12.31 EOS7D撮影)