マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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馬司町・杵築神社の変貌した注連縄

2020年08月19日 08時39分12秒 | 大和郡山市へ
まさか馬司町にあった簾型注連縄がないとは・・・。

孫さんとともに参拝する家族連れが潜った鳥居にあるのはピカピカ色の注連縄。

職人さんが作ったものとすぐわかる綺麗な注連縄。

すっかり様変わりというか、あまりの変貌ぶりに愕然としたことを先に書いておく。

長安寺町の祭り方を拝見して向きを北に替える。

すぐ近くの隣村になる馬司町。

読みは「まつかさちょう」であるが、周辺旧村住民は「まっさか」と呼ぶ人が多い。

秋の宵宮マツリも拝見している杵築神社の神社行事。

お渡りの詞章に「トリオイの唄」がある。

一老が「オォーイ」と声を揚げたら後続の一同は揃って「オォーイ」と叫ぶ。

「オォーイ」は呼び声でもなく、多いという意でもない。

稔った稲穂を喰い荒らす鳥を“追う”詞である。

決して「穂が多い」という意ではないと神職が話していた。

同市小林町の祭りにも同じような詞がある。

小林町では「オ」でなく「ホーイ」の詞になるトリオイである。

同種のトリオイ詞章は奈良市別所町の六社権現の宵宮のお渡りにもみられる。

詞章事例がとても似ている行事がある。

翁舞奉納の翌日夜に行われる奈良豆比古神社の神事相撲の詞章が「ホーオイッ」。

私はトリオイの詞だと推定している。

そんなことを思い浮かべながら到着した馬司町の杵築神社。

鳥居を拝見し、えっと声を揚げた。

平成23年1月に拝見した注連縄の形は綺麗に仕立てた簾型の注連縄。

それがない。

あるのはキラキラ光るくらいに綺麗な注連縄。

職人が作ったとしか思えないような一般的注連縄に替わっていた。

しかも鳥居前に立てた門松の姿が・・悲しい。

(H31. 1. 2 SB932SH撮影)