おふくろから電話があった場合はこと要件に対して明暗がある。
昨年末に発症した嘔吐症状にはどうなるかと思っていた。
結論からいえば腸閉塞になりかけの糞詰まりだった。
嘔吐、嘔吐の症状もあるが、吐けばすっきりしてお腹が減るという。
減れば食事をする。
そんな具合がどうにもこうにもならなんだ昨年末は入院措置。
細菌検査もしたが、結局は便溜まり。
排便ができずの糞詰まり。
治療は浣腸で済んだ。
退院してからは自宅に戻って一人暮らしの継続。
何かが起きようが、起きまいが変化があれば電話をしてくれと頼んでいた。
そのことはもっと早い時期からお願いしていた。
元気なときはこれからどこそこへ出かけるとか、今帰ってきたとか・・。
こんなん食べたとか、作っているとかである。
何かの節目は食事処に出かけてご馳走をよばれている。
今年の4月には昨年に続いて大阪・堺でおふくろの誕生祝いの食事会もした。
そろそろ期間も空いて盆前にはどこかへ行こうという段取りだった。
その日は8月10日。
かーさんも心待ちにしていた食事会はおふくろが住む街なかにある魚輝水産住之江店にしようと思っていた。
ここなら安心して美味しいものが食べられる。
どんな料理であってもとにかく美味しい。
どれを選ぶか、お腹がいっぱい、いっぱいになりやしないかと心配もさせる悩ましきお店である。
その二日前の午後に電話が架かった。
何度も吐いたという嘔吐症状を伝える。
もしや、8カ月前に起こした症状と同じではないかと思った。
電話口で症状を伝えるおふくろに云った。
何をいつ食べた、いつ排便した、排便の具合はどうだった、回数は、量は・・・に返した言葉がおかいさんを少しずつ。
少量の牛肉にキャベツ炒め。
美味しかったから天ぷらも食べた。
で、便の回数はといえば、あると返す。
量はどれだけに対しては少し。
少しというのはいつからと云えば、何日か前から・・・。
間違いない前回同様の糞詰まりと推定した。
排出していないから一定の量を食べられる。
詰まったら身体自身が跳ね返す。
受付しないから嘔吐症状になる。
そういうことだと思って急ぐ大阪・住之江。
第二阪奈道路に阪神高速道を走る。
東大阪市内を横断する辺りはいつもの渋滞。
4kmはノロノロ運転。
焦っても仕方がないが、おふくろが通院している畠中医院の受付は午後7時まで。
それまでに入らなければならないから若干焦る。
着いたのは午後6時半。
最近になって完成したタイムパーキング型の団地駐車場がある。
一時間利用で200円。
団地に設置されたからなのか大阪市内にしては格安料金だ。
しかも、入庫後24時間は最大で500円。
盆帰りに利用する人も多いと思われるが8台しかない。
もっと増やす構想があるのだろうか。
それはともかく私がここで生まれ住んで30年。
内科の病は畠中さんに診てもらうが、それは大先生時代。
今では息子さんが継いでいる。
待っている間は特に嘔吐もないおふくろ。
待合室には3家族がおられたが割合早くに呼び出し。
前もって電話で症状を伝えておいたから早くも診察。
電話を受け取った場合は予約になるらしい。
当院にはレントゲン室はあってもレントゲンを撮ることもない。
おふくろの便詰まり具合はお腹を押さえて動きを聴診器。
たぶんそうなるであろう。
たぶんに点滴になるであろうと思っていたら、やはりそうだった。
点滴となれば少なくとも1時間以上。
車を停めておくには院近くのこれまたタイムパーキング。
駐車料金は団地とまったく同じであった。
ここの駐車場の元地は
お風呂屋さんだった。
たしか
西住之江温泉だったような気がするが・・・。
廃業されてからはなにも建たなかった跡地の転用先はパーキングだった。
廃業された景観を撮っていてくれた人に思い出をありがとう、である。
診察を終えて住処に戻ったおふくろ。
嗚咽はしなくなったが身体・背中を丸めて布団に顔を埋めて伏せる。
その恰好で苦しくないのかと聞けば、この方が楽だという。
それからしばらくしたらトイレに入ってゲーゲー。
液体ばかりが排出される。
固形物を吐くことはない。
おふくろは嘔吐だけなく皮膚の痒みに悩まされていた。
痒くなれば気持ちがいいほど掻きむしる。
皮膚の薬は身体に塗っている。
いっときは痒みが消えるが再び襲う痒みに掻きむしる。
ひっかいた創が目立つし背中も腕もそこらじゅうに赤い斑点が散らばる。
皮膚薬の効き目はあるが、どうやらひっかいて創をつくってしまうことからどうやらばい菌に被れたような状況である。
軟膏だけでは治らない創の痒み。
治すには私がこれまで使用してきた副腎皮質ホルモン剤が入っている田辺三菱製薬社製の「マイザー軟膏」は効き目がいい。
地元城下町にある高原皮膚科医院の診察を受けて治療している皮膚薬。
診察をうけなくとも高原皮膚科医院にお願いして薬だけを入手したことがある。
最後にもらったのは平成25年の11月。
もらった5本はとうとう底をついた。
ところが高原皮膚科医院は先生が亡くなったことから閉院された。
医師の診断がなければ皮膚薬の適用はできない。
入手は不可能になったが、痒みはときおり発症する。
ポツポツと赤くなったときとか、筋一本が入ったような創的な場合もある。
そういうことになれば直ちに塗って処置していた「マイザー軟膏」。
入不可能となれば一般的な薬屋さんに行くしかない。
そう思って門をたたいたのは近所にあるキリン堂である。
専門の医師がついているキリン堂。
相談した結果のお薦めは第一三共ヘルスケア社製の「ベトネベートN軟膏AS」だ。
ステロイド系抗生物質入りの皮膚軟膏剤は「マイザー軟膏」よりかは効き目が薄いらしいが、化膿させない薬。
爪でひっかいた痒みの創も治してくれる。
その皮膚薬は効果てきめん。
おふくろに使ってもらいたいと思って翌日に持参することにした。
読売新聞の販売に絡まれて契約してしまった話も痒み発症の一因と思っているおふくろの思い込み。
読みたくもないのに配達される新聞に困っていた。
そんな話も長々と、に時間は刻々と過ぎる。
畠中医院でもらった浣腸で処置をするのはかーさん。
慣れたものだという。
肌温度にしなくても構わない夏の気温。
お尻から入れた薬剤は一瞬が冷たい。
しばらくすれば体内が熱くなってくる。
浣腸薬が効きだした。
もよおしがあったと云ってトイレに駆け込むおふくろ。
最初はチュルチュルの液体が噴出。
その次はちょびっとだけの排便があったという。
少しはマシになっかたもしれない。
状態を見届けて帰路につくが時間帯は午後10時を過ぎていた。
家に帰っても遅くなる。
そう思って晩飯は10日に行く予定だった魚輝水産住之江店にした。
入店は午後10時過ぎ。
オーダー〆30分前の入店に慌てる注文の品定め。
かーさんが選んだ食事は税込1490円の握り寿司盛りの「花みずき」。
私は626円の漁師丼。
これがなんと、量が多いこと。
ネタも山盛りだがご飯の量がすごい。
食べても、食べても減ってくれない。
おまけに漁師丼は寿司飯ではなくご飯である。
飯に味があればついつい箸が進むのだが、この日のお腹は夜になっても食の中枢神経は働かない。
なんとかかつぎこんで完食した。
同店舗は嬉しいクレジットカード支払いができることを付記しておく。
(H28. 8. 8 SB932SH撮影)