わたしの住む千葉県にはいわゆる田舎があり、昔描かれたふるさとの風景を堪能することが出来る。開発された郊外の住宅地とは一味違う雰囲気を味わえる。
特に無人駅周辺は時代に取り残されたようなたたずまいと静寂に包まれている。1917年(大正6年)5月創設、1925年(大正14年)3月一部開業の小湊鉄道営業距離39.1キロ、18駅のうち10駅が無人駅となっている。そんな駅を見るためにわざわざ車で行くというひま人そのもののドライブだった。とにかく時間帯によっては一台も電車が通らないのだから、車で行くのも悪くはなかった。
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秋晴れに恵まれた日、弁当を持って出発した。気にもかけていなかったことが行ってみて分かったのは、道路に何々駅の標識と矢印などは一切なかった。そのせいで迷うこともたびたびのこととなった。考えてみれば、道路は車のための標識はあるが、電車に乗るための標識はないのが当然だった。地元の人以外にわざわざ車で駅に立ち寄るなんて想定外なのだろう。
とはいっても「高滝駅」で横浜ナンバーの車の人に大きな駅はないですかと聞かれたのはどんな用事があるのだろうと今でも気がかりになっている。
ともかく最初の駅は、「上総川間(かずざかわま)」駅を探し当てた。
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駅周辺には一台の自動販売機もなくひたすら大きな空と田園地帯が広がっていて、見えるのは遠くに農家が点在しているのと村落の家並が陽射しに照り映えている光景だけだった。静けさを震わせっているのは、遠くを走る国道297号の車の音が小さく聞こえるくらいだった
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どうしてこんなところに駅を作ったのだろう。開業当初から長い間、何も変わらず存在し続けた駅。この駅を見ていると、変色した古いラブレターが思い出される。この駅には切符売り場とトイレはなかった。当初から無人駅なのだろう。誰かが清掃していて、不潔感はなかった。地元の人の愛着を感じた。
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