インターネット時代の紙の媒体、新聞、雑誌、書籍などは、時代の流れに翻弄されている。ここライフ社も例外ではない。ウェブ事業への転換で休刊に追い込まれ人員整理が始まる。
写真のネガを管理するウォルター・ミティ(ベン・スティラー)にショーン・オコンネル(ショーン・ペン)から手紙が届く。
「ライフ誌が休刊だって? 世話になった。中を見ろ、君の苦労に対する贈り物だ。ネガだけど銃傷を縫ってたら血がついちまった。だが、25番は俺の最高傑作だ。これが人生(ライフ)の真髄だと思う。いい仕事をしてくれ、信頼している」
ネガを現像してみると25番が欠落していた。ウェブ事業の責任者テッド(アダム・スコット)はどこから聞いたのか25番のネガを知っていた。それをライフの最終号に使うから早く出せといって聞かない。なんたらかんたらと誤魔化して引き伸ばしているが時間が迫る。
1ヶ月前にライフに入社した写真部のシェリル(クリステン・ウィグ)に協力を求める。このシェリルに密かに思いを寄せてもいるウォルター。ウォルターは時々ボーっとして白昼夢に襲われるというノーマルな範囲の病気がある。最近は、シェリルを白昼夢をよく見る。
シェリルの調査でショーン・オコンネルは、グリーンランドにいることが分かる。グリーンランドに飛んだウォルター、ヌークという小さな漁村の酒場で酔っ払いのヘリパイロットと出会い、その男についていけばショーンに突き当たる。しかし、足元もおぼつかない酔っ払いの操縦だ。躊躇する。
ギターを抱えたシェリルが「トム少佐Ground Control to Major Tom」を歌う白昼夢。外に飛び出したウォルターは、浮き始めたヘリコプターに飛び乗る。さあ、ここから大冒険が始まる。
ネガを手に入れたウォルターは、ライフ・オンラインと社名を変えた建物にある会議室に乗り込み、テッドに渡す。そして尋ねる。
「社のスローガンは?」
テッドは口ごもりながら「アイム・ラヴィン・イット」
「違う。それはマクドナルドだ。君は外部からやってきて社員のクビを切った。スローガンを信じ命がけでライフを作った人たちだ。君は上の命令に従ったんだろうが、嫌なやつにはなるな。そんなのは額に入れて飾っておけ」
ライフのスローガンは
“世界を見よう”
“危険でも立ち向かおう”
“壁の裏側を覗こう”
”もっと近づこう”
ウォルターとシェリルが手をつないで新聞スタンドの前で見たのは、ライフの最終号だった。そこには、「これを作った人々に捧げる」というキャプションと共にウォルターがネガを観察している写真が表紙を飾っていた。25番の写真ではなかったし、テッドも無能なヤツではなかった。
この映画のエンディングは、私のベスト10に入るほど印象的だった。ベン・スティラー、クリステン・ウィグも素晴らしかった。
そしてキーとなった曲「Ground Control to Major TOM トム少佐」を映画のシーンとクリステン・ウィグとデイヴィッド・ボウイでどうぞ!
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監督
ベン・スティラー1965年11月ニューヨーク市生まれ。
キャスト
ベン・スティラー
クリステン・ウィグ1973年8月ニューヨーク州生まれ。
アダム・スコット1973年4月カリフォルニア州サンタクルス生まれ。
シャーリー・マクレーン1934年4月ヴァージニア州リッチモンド生まれ。
ジョーンーペン1960年8月カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。