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夢見る男の冒険 映画「LIFEライフ ’13」劇場公開2014年3月

2014-08-06 16:16:31 | 映画

              
 インターネット時代の紙の媒体、新聞、雑誌、書籍などは、時代の流れに翻弄されている。ここライフ社も例外ではない。ウェブ事業への転換で休刊に追い込まれ人員整理が始まる。

 写真のネガを管理するウォルター・ミティ(ベン・スティラー)にショーン・オコンネル(ショーン・ペン)から手紙が届く。

 「ライフ誌が休刊だって? 世話になった。中を見ろ、君の苦労に対する贈り物だ。ネガだけど銃傷を縫ってたら血がついちまった。だが、25番は俺の最高傑作だ。これが人生(ライフ)の真髄だと思う。いい仕事をしてくれ、信頼している」

 ネガを現像してみると25番が欠落していた。ウェブ事業の責任者テッド(アダム・スコット)はどこから聞いたのか25番のネガを知っていた。それをライフの最終号に使うから早く出せといって聞かない。なんたらかんたらと誤魔化して引き伸ばしているが時間が迫る。

 1ヶ月前にライフに入社した写真部のシェリル(クリステン・ウィグ)に協力を求める。このシェリルに密かに思いを寄せてもいるウォルター。ウォルターは時々ボーっとして白昼夢に襲われるというノーマルな範囲の病気がある。最近は、シェリルを白昼夢をよく見る。

 シェリルの調査でショーン・オコンネルは、グリーンランドにいることが分かる。グリーンランドに飛んだウォルター、ヌークという小さな漁村の酒場で酔っ払いのヘリパイロットと出会い、その男についていけばショーンに突き当たる。しかし、足元もおぼつかない酔っ払いの操縦だ。躊躇する。

 ギターを抱えたシェリルが「トム少佐Ground Control to Major Tom」を歌う白昼夢。外に飛び出したウォルターは、浮き始めたヘリコプターに飛び乗る。さあ、ここから大冒険が始まる。
         
         
 ネガを手に入れたウォルターは、ライフ・オンラインと社名を変えた建物にある会議室に乗り込み、テッドに渡す。そして尋ねる。
「社のスローガンは?」
テッドは口ごもりながら「アイム・ラヴィン・イット」
「違う。それはマクドナルドだ。君は外部からやってきて社員のクビを切った。スローガンを信じ命がけでライフを作った人たちだ。君は上の命令に従ったんだろうが、嫌なやつにはなるな。そんなのは額に入れて飾っておけ」

ライフのスローガンは
“世界を見よう”
“危険でも立ち向かおう”
“壁の裏側を覗こう”
”もっと近づこう”

 ウォルターとシェリルが手をつないで新聞スタンドの前で見たのは、ライフの最終号だった。そこには、「これを作った人々に捧げる」というキャプションと共にウォルターがネガを観察している写真が表紙を飾っていた。25番の写真ではなかったし、テッドも無能なヤツではなかった。
         
         
 この映画のエンディングは、私のベスト10に入るほど印象的だった。ベン・スティラー、クリステン・ウィグも素晴らしかった。

 そしてキーとなった曲「Ground Control to Major TOM トム少佐」を映画のシーンとクリステン・ウィグとデイヴィッド・ボウイでどうぞ!
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監督
ベン・スティラー1965年11月ニューヨーク市生まれ。

キャスト
ベン・スティラー 
クリステン・ウィグ1973年8月ニューヨーク州生まれ。
アダム・スコット1973年4月カリフォルニア州サンタクルス生まれ。
シャーリー・マクレーン1934年4月ヴァージニア州リッチモンド生まれ。
ジョーンーペン1960年8月カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。

ウォーキング中の頭のなか……

2014-08-06 16:07:42 | 雑記

 人間の頭の中は、起きているときは絶えず思考が渦巻いていると言ってもいい。特に通勤電車の中とか飛行機の中、そして集中できるのがウォーキングのときだろう。ただし、歩く道が交通量の激しいところでは思考がばらつく欠点がある。

 幸い私のウォーキング・ロードは、遊歩道だから危険が皆無。40分ほどの間、じっくりと考えをめぐらすことが出来る。作家が散歩で考えを纏めるというのはよく聞く話。人は一人になったとき何かと考え事をするようだ。私も同じ。

 今日は読んだ本について考えていた。先月緑内障の手術で入院したとき持参した本が矢野隆著「無頼無頼(ぶらぶら)一ツ!」。この本も決して悪くないが、読み終わっても退院まで二・三日ある。

 そこで病院の図書室で司馬遼太郎の「風の武士」を借りた。この人の著書はいくつか読んではいたが、読み始めると留まるところを知らない。いずれにしても作家には読みづらい人と読みやすい人がいるのは確かだ。司馬遼太郎は、読みやすい人だろう。文体にリズムがある。それは元新聞記者の経験が生きているのかもしれない。

 その読みやすい文章をどのように書けばいいのかと考えていたが、決め手はなさそうでとにかく本をたくさん読んで、読みっ放しでなく、感想メモなどと共に気がついた文言も書き留めておくしかない様に思う。

 ウォーキングの帰り道に図書館にリクエストしていた本、坂東真砂子の「瓜子姫の艶文(うりこひめのつやぶみ)」を持ち帰った。艶文は恋文の古風な言い方と辞書にある。さて、その艶文を引用してみよう。
 『おまえさまとのあのこと 天にも昇るほどに心地よき候 思ひかへすほどに 身もわらわらと震へまゐらせ候 
 浮気まゐらせ候よしも おまへさまのあれだけは わらわのそばにお置きくだされますやう かたくかたく願ひあげまゐらせ候 
 いえいえ それもいけませぬ かくも善きことを よそでもいたすのかと思ひ候へば 腸(はらわた)も煮えくり返り候 
 はなればなれの間は したくともこらへまゐらせ候ゆゑ おまへさまもそのおつもりでゐてくだされまし たんとたんとお待ちこがれいりゐらせ候 
文箱の底から出てきた艶文を見つけて、りくの躯(からだ)は凍りついた。
(中略)夫の亥右衛門(いえもん)との交わりを想いつつ身悶える若い女の姿が瞼に浮かび、頭の奥からじいんとしびれが広がっていった。
「女将(おかみ)さん 女将さん」
階下から女子衆のしかの声が聞こえてこなければ、その場にいつまでも立ち尽くしていたかもしれない。
「どうしたのですか」
すぐさま背筋を伸ばして、腹の底から声を出した。そうすると気持ちがしゃんとなった。

 見事に我に返った。いつも思うのは、会話体のあとどのように結べばいいか、 ということだ。「……」と彼は言った。こればかりでは芸のない話だ。
「笑みを浮かべながら、彼は言った」
「口を尖らせて怒ったように彼女が言う」いろいろ工夫はするが、このアンダーラインの部分のように印象的な文体にはならない。
「どうしたのですか」とりくは、声を上ずらせて言った。 と書いても印象に残らない。
 さすがにプロ作家だと感心した次第。書き出しがこういう具合だから興味は尽きない。ちなみに坂東真砂子は、舌癌のため今年1月55歳で逝去。

映画「ふしぎな岬の物語」に登場する「岬の喫茶店」

2014-08-06 16:05:03 | 映画

 吉永小百合が初めて自ら企画から立ち上げて主演する映画「ふしぎな岬の物語」に登場する「岬の喫茶店」へ行ってみた。

 自宅からは車で一般道を走って2時間強の所要時間。天気は安定していて夏空が大きく広がっていた。

 この映画の原案は、森沢明夫著「虹の岬の喫茶店」で、人々の悲喜こもごもを描いてあるという。私はまだこの小説は読んでいない。映画を観るときの参考になればと思い、岬周辺も写真に収めた。