監督のセルジオ・レオーネの10年来の構想だという三つの時代を前後させながら描く友情と愛。ちょっと分かりにくい箇所もあってすんなりと理解できないが、229分を費やしてゆっくりと伸びやか。BGMもスローテンポ。幼友達の不良少年二人ヌードルス(ロバート・デ・ニーロ)とマックス(ジェームズ・ウッズ)が禁酒法時代をどう生きたか。
「昔々のアメリカで…」という追憶のファンタジーが観る者の心を揺さぶる。映像と音楽の一体感が叙情的雰囲気を盛り上げる。このエンニオ・モリコーネ作曲「デボラのテーマ曲」がいい。
デボラというのは、ヌードルスが子供の頃から愛してやまない女性。デボラ(エリザベス・マクガヴァン)もヌードルスが好きだが悪に染まりつつあるのが気がかり。一定の距離を置く。
このデボラを少女時代をジェニファー・コネリー、成年以降をエリザベス・マクガヴァンが演じた。映画サイトallcinemaのレビューには、ジェニファー・コネリーについてはべた褒めだが、エリザベス・マクガヴァンは、固い表情でミスキャストじゃないかというコメントも見られた。私はその固い表情はヌードルスの素行に嫌悪して、彼の胸に飛び込めない苦悩と私は受け止めている。私はこの映画のマクガヴァンはきれいな瞳を持っていて好きだ。
ロバート・デ・ニーロが青年期と老年期を演じているが、老年期の顔がふっくら、体型が小太りで自らの体重を調節するデ・ニーロの役へのこだわりが見て取れる。この映画は、音声解説も含めて3度観ないとその真髄を理解できない。
意外な結末とともに、ヌードルスとデボラがハッピーエンドに終わらない切なさが尾を引く。単なるギャング映画とはいえない。とりわけ「デボラのテーマ曲」などは品格さえ与える。どうぞお聴きください!
監督
セルジオ・レオーネ1929年1月~1999年4月ローマ生まれ。
音楽エンニオ・モリコーネ1928年11月ローマ生まれ。
セルジオ・レオーネとエンニオ・モリコーネは、幼友達という。
キャスト
ロバート・デ・ニーロ1943年8月ニューヨーク市生まれ。出演時41歳。
ジェームズ・ウッズ1947年4月ユタ州バーナル生まれ。出演時37歳。
エリザベス・マクガヴァン1961年7月イリノイ州エヴァンストン生まれ。出演時23歳。’81「ラグタイム」でアカデミー助演女優賞にノミネート。
ジェニファー・コネリー1970年12月ニューヨーク州生まれ。デボラの少女期を演じる
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