1750年ごろ、スペイン統治下にあった南米奥地のパラナ川上流のイグアスの滝を、轟音と共に垂直に落ちる水しぶきを受けながら登るイエズス会のガブリエル神父(ジェレミー・アイアンズ)。
この滝の上にはインディオのグアラニー族が住んでいる。過去には宣教師たちの多くが、グアラニー族によって命を落としている。このグアラニー族は、音楽的資質に優れていて楽器も作るし、合唱も目を見張るほど素晴らしい。そこに目をつけてガブリエル神父は、一本のオーボエを携えてきた。それが功を奏したのか教会の建立まで漕ぎつけた。
一方で同じ白人種ながらインディオを奴隷として売買するメンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)がいた。一人の女性を巡って弟と対立、大喧嘩の果て刺し殺してしまったメンドーサ。罪の重さに食事もとらず引きこもり状態になる。
そのメンドーサを神のもとへ導いたのがガブリエル神父だった。布教活動が広がりを見せる中、スペインとポルトガルの両国によって南米国境の線引きが行われ、インディオは布教村からの撤退。宣教師達は退去を命じられる。
宣教師達は反発し、インディオと共にメンドーサは武器を取り、ガブリエルは祈りを捧げる。実力行使の政府側軍隊の猛攻は、宣教師達の壮絶な死によって幕が引かれる。生き残った十数人の子供たちが船に乗って上流を目指す場面で映画は終わる。
宣教師達の教えは、やがてこの子供たちによって伝えられるという予兆を表しているのだろう。壮大な大自然、イグアスの滝の圧倒的な迫力をエンニオ・モリコーネの美しい旋律とともに忘れえぬ記憶となって残る。
そして、最後にこういうセリフが出てくる。殺戮行為をさして「これが人間の世界です」「いや違うな。人間が作ったのだ。こういう世界を」示唆に富む言葉だ。
この映画は、1986年カンヌ国際映画祭でパルム・ドール賞を受賞した。そして、このテーマ曲「ガブリエルのオーボエ」は、のちに「ネッラ・ファンタジア」としてサラ・ブライトンよって歌われた。サラ・ブライトン以外の多くの歌手によっても歌われている荘厳な歌曲だ。サラ・ブライトンの「ネッラ・ファンタジア」をどうぞ!
監督
ローランド・ジョフィ1945年11月イギリス、ロンドン生まれ
キャスト
ロバート・デ・ニーロ1943年8月ニューヨーク市生まれ。
ジェレミー・アイアンズ1948年9月イギリス、ワイト島生まれ。
リーアム・ニーソン1952年6月イギリス、北アイルランド生まれ。
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