日本球界からアメリカ・メジャーリーグ入りで騒がせた選手としては二人目と私は思う。騒がせたと言うのは、ルーキーシーズンで関心と話題を大きく集めた選手ということ。
一人目はなんと言っても野茂英雄だ。1995年、年俸980万円でロサンジェルス・ドジャースと契約。初勝利は6月2日対ニューヨーク・メッツだった。初先発はサンフランシスコ・ジャイアンツで、カリフォルニアのブルースカイが眩しかったのを覚えている。その野茂が「ノモマニア」現象まで起こした。
そして23年後の今年、二人目の大谷翔平だ。二刀流と言う目新しさもあったかもしれないが、シーズン開幕前はあまり振るわなかったが、開幕と同時に投打で実力を発揮して注目度抜群となった。
メジャーリーグの新労使協定の最低保障54万5000ドル(約6200万円)という破格の安さでロサンジェルス・エンジェルスと契約した。25歳まで待てば多額の契約金は間違いないと言われる。それでもメジャーリーグを選んだのには大谷自身の遠大な計画があるのかもしれない。
エンジェルスを選ぶにあたって日本人選手のいないところを一つの条件と考えていたという記事を読んだ記憶がある。これは何を意味するのだろうか。推測でしかないが、恐らく野球技術ばかりでなく英語とかスペイン語の習得も視野に入っていたのではないだろうか。日本人選手がいたら、日常会話でほとんど日本語は避けられないし、いつもそいつと一緒となればチームメイトと広く付き合う術がなくなる。それと日本的先輩・後輩の堅苦しさも苦手だったかもしれない。
で、語学力は確実に階段を登っているようだ。アメリカのメディアも「英語は理解している」と明言する。ソーシア監督も「スペイン語の方がうまいよ」と言ったことがある。変な比喩だが、23歳とか24歳は体全体がスポンジみたいなものだ。頭も体もすべて何もかも吸収する。
その顕著な例を見た。大谷は二塁打を放った。二塁ベース上で相手の二塁手から言葉をかけられたとき、言葉を返し肩をすくめ両手を広げる仕草をした。これを見て私は、大谷は現地の空気に溶け込み文化も吸収したと確信した。
アメリカの弁護士で日本をよく知るケント・ギルバートが言う。「背も高いしキュートだから女の子が騒いでいるよ」
NHKのメジャーリーグ、エンジェルスの放送では、ファンからのメッセージが読み上げられる。50代の女性に大谷ファンが多い気がする。母性本能を刺激するのかもしれない。確かに長身でルックスが良くキュートで投打と走の実力も抜群となれば球場でのTシャツの売り上げもうなぎ上り。エンジェルス生え抜きのスーパースター、マイク・トラウトを凌駕する勢い。
大谷のルックスでいえば、口元が締まっていて横顔も悪くない。安倍総理や小池都知事の横顔は、典型的な日本人の顔で口元に締りの無さが見える。すべてに恵まれた大谷翔平といえる。
トミー・ジョン手術も順調のようで、来年、いつバッターとして登場するか楽しみ。加えて現地メディアのインタビューに英語で応える場面があるのかどうか。これも楽しみ。