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王位を捨て恋を選んだエドワード8世「ウォリスとエドワード ’11」劇場公開2012年11月

2014-01-08 16:53:27 | 映画

                 
 世間では王位を捨てたエドワード8世に注目が集まるが、どうして相手の女性ウォリス・シンプソンの視点はないのか。というわけで最悪の映画を選ぶゴールデンラズベリー賞の常連といわれるマドンナが果敢に挑戦した。結論から言うと全く観るに耐えない映画ではない。

 単にウォリス・シンプソン(アンドレア・ライズブロー)とエドワード8世(ジェームズ・ダーシー)の恋物語を追っているわけでもない。この二人の物語に重ねるようにウォリー・ウィンスロップ(アビー・コーニッシュ)の運命も共に語られる。

 1936年代と現代という時代は違っていても、身勝手な暴力亭主はいるもので、二つの物語は似たような展開を見せる。この映画は、ウォリス・シンプソンからウォリー・ウィンスロップに贈る人生の真理なのかもしれない。
          
 ちょっと気になったのは、いつでもどこでも男たちはタバコを吸うことだ。場所を選ばずといったところ。1936年代なら仕方のないことだが、現代の場面でも、コーヒーショップで女性を前にして煙を吐き出すとは……。

 エドワード8世もやたらタバコを吸う。タバコに火をつけるのは、恐らく音から推測してジッポーのオイル・ライターではないだろうか。このジッポーは、1933年に1500個の生産が最初で以後量産に入るが、エドワード8世は初期の製品を手に入れていたのだろう。

 かつてはタバコは小道具として効果的に使われたが、今では鬱陶しい存在でしかない。マドンナがタバコを吸う場面を多用するのは、現状認識に欠けるのかもしれない。ラズベリー賞常連はうなずける。

監督
マドンナ1958年8月ミシガン州デトロイト生まれ。

キャスト 
アビー・コーニッシュ1982年8月オーストラリア生まれ。
アンドレア・ライズブロー1981年10月イギリス生まれ。
ジェームズ・ダーシー1975年8月ロンドン生まれ。
オスカー・アイザック1980年1月グァテマラ生まれ。
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今年のNHK大河ドラマ「黒田官兵衛」、もう少し観ないと良し悪しの判断はつかない。

2014-01-06 16:23:42 | テレビ

 NHKの大河ドラマは、1973年第11作目の「国盗り物語」以来、観ていない。40年間も観ていないのに、今何故観るのか。

 きっかけは司馬遼太郎の黒田官兵衛を描く「播磨灘物語」だった。この作品以外にも脇役として、たびたび登場していてその人柄に惹かれたからだ。官兵衛がいなかったら、秀吉も天下を手にしたかどうかは怪しいものだ。

 その人柄の一端は、築城の名手であり倹約家でもあるが金の使いどころを心得ているようだ。合戦となれば兵を集めねばならない。そのとき支度金を惜しまず二度も受け取ろうとする者に対しても笑いながら与えたとか、主君のために家臣が追腹を切ることを禁じたりした。

 後年出家して如水を名乗ったが、その由来を戦国時代に布教したポルトガル出身の宣教師ルイス・フロイスによれば、「官兵衛は剃髪し、予の権力、武勲、領地、および多年にわたって戦争で獲得した功績、 それらすべては今や水泡が消え去るように去って行ったと言いながら、ジョスイ、すなわち水の如し、と自ら名乗った」と記している。なんとも飄々として後顧の憂いもない。

 さて、ドラマの方は? う――ん……音楽が印象に残らないし惹きつける力強さに欠けるかな。小説や映画も導入部に成否がかかっている。背景の合戦には事欠かないから退屈な仕上がりにはならないだろう。少なくとも1月中は観るつもりだ。

 テレビをあまり観ない私にとって久しぶりのドラマで気づいたことがある。出演の俳優の歯が白いことだ。ホワイトニングなんだろう。アメリカではビジネスマンでもホワイトニングで歯を白くして相手に印象をよくしようとしているから、かなり遅れて日本でもその風潮になってきたのかもしれない。いずれにしても口元のキレイなのは歓迎すべきことだろう。

 それに今朝のTBSの番組でこの大河ドラマにかなりの宣伝費が使われているようなことを言っていた。電車の中刷りや新宿あたりの通路に大々的な広告が見えるらしい。NHKは受信料で賄っているし赤字覚悟の番組も許容されているはずだ。民放のような宣伝活動をするなら、受信料を値下げしてもらいたい。NHKは民放と張り合う必要はない。
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運命は必然という映画「人生はノー・リターンGuilt Trip~僕とオカン、涙の3000マイル」劇場未公開

2014-01-05 16:41:16 | 映画

                 
 男女の出会いは偶然なのか、必然なのか。アンディ(セス・ローゲン)の母親ジョイス(バーブラ・ストライサンド)は、必然だという。
 「恋をしたけど成就しないで、あなたのお父さんと出会いあなたが生まれた。だから必然なのよ。アンディ」

 そのアンディは、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)で化学の修士号を取得。この3年は環境保護庁に勤務して再生可能資源の活用を研究、その結果、ココナッツ・オイル、パーム核油、大豆油で洗剤を発明した中年独身男。それを機に独立してKマートやコストコへ売り込みをかけるアメリカ大陸横断の旅を計画した。

 久しぶりにニューヨークの実家に立ち寄ったのが、口数の減らない母親ジョイスの同行を誘うことになる。ジョイスの最初の恋人の話が出て、アンディはインターネットで検索、電話で確認しかも独身であることまで分かる。

 ジョイスの中では、この恋はもう終わっているにもかかわらずアンディのお節介で東海岸から西海岸までの4800キロの大陸横断となる。その珍道中が微笑ましい。

 それにしても、バーブラ・ストライサンドも70歳代に入り衣服で隠してあるが、アメリカ女性の典型的な体型、洋梨型は間違いない。

 バーブラ・ストライサンドの経歴は、華々しいもので1968年「ファニー・ガール」でアカデミー主演女優賞を受賞。’73年「追憶」でアカデミー賞主演女優賞にノミネート。
 ’76年には「スター誕生」で歌曲賞「Evergreen」の作曲で受賞。さらに’96年「マンハッタン・ラプソディ」主題歌賞の作詞・作曲「I Finally Found Someone」がノミネートされている。折角だから、’76年の歌曲賞「Evergreen」を聴いてみましょう。
BARBRA STREISAND - EVERGREEN(LIVE 1986)

監督
アン・フレッチャー1966年5月ミシガン州デトロイト生まれ。

キャスト 
バーブラ・ストライサンド1942年4月ニューヨーク市ブルックリン生まれ。
セス・ローゲン1982年4月カナダ、ブリティッシュコロンビア州バンクーバー生まれ。カナダのコメディアン。’05「40歳の童貞男」で映画デビュー。
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禁酒法下、官憲のゆすりと戦った密造酒造りの三兄弟の実話「欲望のバージニア」劇場公開2013年6月

2014-01-02 17:24:42 | 映画

                 
 長男ハワード・ボンデュラント(ジェイソン・クラーク)、次男フォレスト・ボンデュラント(トム・ハーディ)、末弟ジャック・ボンデュラント(シャイア・ラブーフ)の三兄弟は、バージニア州の片田舎で密造酒を作っていた。

 禁酒法で違法とされていて取締りの対象となる。しかし、ザル法でもあって逮捕されてもすぐ釈放されるというから、警察や保安官の側にも仕事に身が入らない。そこで密造酒業者にたかり分け前を要求するようになる。

 州の特別捜査官レイクス(ガイ・ピアース)がゆすりに来た。決然と拒否する次男のフォレスト。それを根に持ったレイクスは、末弟のジャックを半殺しの目に合わせる。

 しょんぼりとしているジャックにフォレストは、言い聞かせる。
「お前が俺の弟なら、二度とこんな真似は許すな!」
「俺にはムリだ。兄貴たちみたいに頑丈な体をしていない」とジャック。
「そんなの構わん。ジャック。男を強くするのは腕っぷしじゃない。ひるまず立ち向かう意志だ」

 こういうB級映画にも人生に示唆を与える言葉もあるもの。「ひるまず立ち向かう意志」これはあらゆる局面に適応できるだろう。

 子供の頃は喧嘩沙汰がよくあるもの。いじめられて殴られるのは、へつらうような意気地なしの子供だった。それこそ立ち向かう意志を目に宿しながら毅然とすれば、相手はぶつぶつ言いながら立ち去っていく。これは女性には分からない部分だろうと思う。フォレストはそういう男だった。

 首を切られて血を流しながらも一命をとりとめたり、レイクスとの銃撃戦で瀕死の重傷を負うが、これも助かる。ところが、禁酒法が廃止になり密造酒造りから足を洗って結婚もしたが、ある冬の夕べ酒を飲んで散歩の途中、池に転落。それがもとで肺炎になり死亡というあっけない人生だった。

 人生は予期しないことの連続だ。首を切られ銃弾を浴びせられても死なないが、肺炎に命をとられることもある。皮肉といえば皮肉だ。
           
           
           
監督
ジョン・ヒルコート1961年オーストラリア、クイーンズランド生まれ。

キャスト 
トム・ハーディ1977年9月イギリス生まれ。
シャイア・ラブーフ1986年6月ロサンジェルス生まれ。
ジェイソン・クラーク1969年7月オーストラリア生まれ。
ゲイリー・オールドマン1958年3月イギリス、ロンドン生まれ。
ジェシカ・チャンスティン1981年3月カリフォルニア州生まれ。
ミア・ワシコウスカ1989年10月オーストラリア、キャンベラ生まれ。
ガイ・ピアース1967年10月イギリス生まれ。
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