全体に上から目線を感じた。しかも色街に理解が乏しく、都市計画的観点もない。しかし最後の女将の聞き覚えとして価値はあるため、さっと読むのは悪くない。閉店から12年も経っての出版は解せない。
大和屋は道頓堀北の新興勢力だった大型の料理茶屋で2003年に閉店した。自前の芸妓を育成した。特徴は:
①贅をこらした建物、庭、設え
②一流の料理と什器
③女将・仲居・芸妓のもてなし術の成立と機能
とある。なお、閉店の理由は:
①大阪企業と東京移転
②客の器量、とくに役人が変化、引継ぎが無くなる
(これは、赤坂も同じだと思うが。。。。)
・大阪は茶席(貸席)と置屋(扱い店)と屋形(館:一歩立ちの芸妓の住居)、比べて東京:料亭(貸席?ホントか)、置屋、待合、関西:貸席と置屋→「三都花街めぐり」からの引用か
・大阪:キタ、ミナミ、堀江、新町
・南地:宗右衛門町(甲部)、九郎衛門町(乙部 二枚鑑札 水(不見)転あり)、櫓町、坂町、難波新地(遊廓)の五花街
・道頓堀川の開削、川沿いの芝居町(櫓町)から発展、島之内に湯女(売色:置屋が六軒町)
礼儀作法
・店は守秘義務、阿吽の文化
・乾杯などの立礼はない
・「引盃」の座礼、頂拝(ここまでが礼講)、お招客、下座のからお手元(接待役)への芸妓のついでまわり、下座から上座へ芸妓の注ぎまわり、(ここから無礼講)
・余興:祝儀もの、追善ものに総踊り、茶利舞、へらへら踊り(うつ伏せで足を上げる、鯱みたいな踊り、足を揃えるがけったいな踊りだ)
・宴会は以上の序破急を構成
・茶屋株あり、宮本又次 「大阪の風俗」:一現(見)茶屋、おやま茶屋、呼茶屋、泊茶屋が「南地の色茶屋」、「曖昧茶屋」もあり
・大阪:芸妓、東京:芸者、大阪では「振舞芸妓」→京都の太夫みたいなものか、娼妓は芸妓の上
あまり出来がよくない、その上、大和屋とはこけおどしのきいた、小うるさい女将のいる、格式ばった、交際費族の宴会場のように感じる。その割に、へらへら踊りなどはフレンチ・カンカンみたいで俗っぽい。料理の味は不明だが、当方はここに招待されても嬉しくないと感じる。
昔の接待