都市と楽しみ

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平楽寺書店が取り壊し:ついでに見学、文化財も保存できず

2017-05-02 04:27:44 | 都市計画

 東洞院三条上るにある平楽寺書店( http://www.heirakuji.co.jp/ )は仏教書出版社。

建物は有形登録文化財(設計・施工:からきや工務店)だ。

( https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E6%A5%BD%E5%AF%BA%E6%9B%B8%E5%BA%97 )

RC3階の本屋と裏に町家と蔵2棟の構成。本屋にはファサードにトスカナ式の列柱(2本)に下部に

半球状のバルコニーを付けている。東洞院で異様な建物であり、孤立した存在だった。なお、オランダ建築のように道に傾いている(東へ)ように見えるのは建物の傾きが出たのかもしれない。

解体の現場を見ると、普通の蔵、表の建物にあわせた蔵がある。北側は町家で、表家として本屋の構成のようだ。書店は薄いRCで、構造が弱い感じだ。表の飾りが重いため道路側に傾いたようにも思える。面白いが、きれいな建築ではなくアクが強い看板的ファサード建築だ。

 京都新聞に解体の記事があった。 http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20170420000024

床が傾いていたそうで、ファサードも傾いていると思われる。

よく見るとRCは躯体だけで壁は木造のようだ。前に傾いでいるのはラーメン構造で筋交いがないためと、床も傾いているというから荷重のかかっていた表側柱の座屈もあるのかもしれない。これは構造的な問題で対応には大規模な対応と資金が不可欠だ。

 建替えならば、今のファサードだけを保存をしても良いようにも思うが、ファサードが道路側に傾いているなら仮設での裏打ちや垂直への戻しなど難しそうだ。

 いつも前を通るだけに淋しさを感じるものの、その形状と街並み形成の状態から保存する価値があるかどうかは微妙だ。

コメント
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