都市と楽しみ

都市計画と経済学を京都で考えています。楽しみは食べ歩き、テニス、庭園、絵画作成・鑑賞、オーディオと自転車

台風21号と北海道地震の想定外の自然被害と人災:リスクと 都心化、減災化

2018-09-18 02:53:47 | 都市経営

被災された方々にお見舞い申しあげます。

今回の災害はどちらも前に大雨があり、その後に台風(風)と高潮、震度7地震との違いがあるが、被害には自然災害と人災の違いがある。今後の減災を考えたい

台風21号では

飛来物での災害、電柱倒壊での停電、高潮の水没と施設被害が3大要素だ。このうち電柱の地中化については促進が望ましいが、共同溝も水没する可能性もありなんとも言えない。飛来物も軽い屋根が飛び、この前の重い屋根の地震被害とは反対だ。これらについては、都市の密集地での飛来防止と電柱の地中化は有効だ。郊外では、都市のコンパクト化を図り、メンテナンスしにくい電柱や非居住家屋などの撤去の推進が良いと思う。高潮については、建替えまたはリニューアル時に電気室を屋上か水害危険水位より上にする対応が有効だ。また、ビル管理室も地下では管理できないため、同様の配置が良い。関西国際空港の地下電源水没は、リスク管理がなっていない設計の実例だ。

 人災は関西国際空港だ。インフラの設計のリスク管理があまい。脆弱な連絡路で風に弱い上、船があたる想定で流木除けの設置もない。これは単なる橋であり1本しかない「連絡橋」ではない。逆にテロ対策としての弱点でもある。

 海水につかる滑走路も情けない。関西復興のシンボルとしての関西国際空港は「やすもの」をイメージするものとなった。

 減災化への速やかな対応と、配慮のない設計・施工責任の追及が欲しい。または、一定規模以上の都市施設では電気施設とビル管理室は水害の想定線以上に配置という法規制を設けるべきだ。

 

北海道地震では

 厚真町は表層(軽石層は支笏湖カルデラの「テフラ」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%83%95%E3%83%A9 )の地滑りだ。集落の立地として平野の山際は水害も少なく、山を背にして安心な立地のように思うが実は危険と判明した。特に沢側の個所土砂崩れや土石流が多い。沢筋の危険性を都市・農村計画で指摘すべき時期だ

 札幌市清田区の液状化は、安易な工法と郊外都市開発と言わざるを得ない人災だ。液状化の原因は、液状化しやすい沢の支笏火砕流堆積物=テフラ層での、沢筋のカット&フィル埋立て(https://www.gsj.jp/hazards/earthquake/hokkaido2018/hokkaido2018-04.html )で今までも被害があったという。3.11地震で液状化した浦安より安易な工事なのかフリクの被害が大きい。造成ディベロッパーへの責任追及や行政の開発認可責任を問うべきであること、液状化エリアは行政が買上げ、緑地にすることなどの都市計画・都市経営的な政策と、不幸にして取得した住民への補助が求められる。(というのも造成した折、沈下しない尾根筋と今回沈下した沢筋の分譲価格に差がないと思われるため:差があったなら、地盤説明もしたはず)このような造成は、マクロ的には行政・ディベロッパーによる災害原因の発生だ。また、分譲のマイクロ的には、リスク説明のない情報の非対称性のある”レモン“(欠陥品)だ。

 このような、危険な郊外開発分譲は広島の北部の水害多発地点や、水害の多い低地の開発による倉敷真備町など、郊外開発の反省の時期だ。

 これからの郊外開発は、水害や液状化のリスクを行政が公表し、利用の制限を厳しくするとともに、都心の高度利用地区へ移転を誘導するという「都心化」方策が求められる。

 天災なら避ける方策を考え実施し、人災なら反省と改良工事をするのが都市経営と都市計画の役割だ

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