結論から言うと、建物などの観光価値は認めるが好みにあわない「重い、ばらばら」の天丼だ。
天丼のロ(2,000円)となめこ汁(300円)、ビール中(650円!サッポロ赤星)となかなかの値段に、蕪と胡瓜の漬物(2切づつ)。お通しに穴子の骨の揚げ置きが3本、丼汁かけでまあまあ、揚げたてが好きだ。
天丼は事前発注だが席について20分もかかる。見ていると丼に仕上がってから5分近く放置され最後の天ぷらがのせられる(厚切りの南瓜と判明)段取りが疑問だ。
天ぷらは熱々でなくご飯に近い部分はしなしなに近い。薄目に衣に盛大に花を咲かせている。丼汁は甘いが醤油は薄目。海老はぷりぷりだが揚げ過ぎ。御職の穴子は揚げ過ぎでぱりぱりに近い。もっとしっとりとして欲しい。烏賊の掻揚は、烏賊と衣が分離している。揚げ方か、蒸らしすぎかどうかは分からないが烏賊と衣のあえものだった。獅子唐は普通。問題は南瓜で1㎝の厚みで揚げるなら5分はかかるものだ。これの揚がりを待っていたのだろうが、中は充分火が通っていないためほくほくではなく、ざらざらだった。一口で食べるのを止めた。
全体に天丼としての工程管理、精進揚げの知識不足と思った。
なめこ汁は鯖節が濃い風味で、なめこと豆腐のあられ、三つ葉がうまい。これは天丼の油の救いになる。
親切で建物の掃除もよく、格子の横桟がすり減っているなど風情があるが、心がもたれるお味だった