友達が出演する劇を見てきました。オーストリアの劇作家の新作で、タイトルは直訳すれば「貪欲の喜劇」。
甲斐性無しのツァンパネッロ(中央の人物)は、刑務所で知り合ったダンドロ(右の人物)から、ぼろ儲けの
話を持ちかけられます。それはエイズ患者から、その人物名義の生命保険を安く買い取り、本人の死後、
保険金を受け取るというもの。2人は、保険買取りの資金が無いので、貯金のあるカーチャ(左の人物)を
引き込もうとします。マッサージサロンを経営する彼女は、不道徳だと拒否しますが、結局ぼろ儲けの
誘惑に負け一味に加わります
ところが、ある名医の発明で、エイズ患者の寿命は大幅に延び
この医師に変装して患者に近づこうとしたダンドロは、医師を付け狙うギャング一味に殺され、結局、
エイズ患者を食い物にしようとしたハゲタカのもくろみは失敗に終わります
友達は、ツァンパネッロの亡くなった父親の亡霊と、「最後の審判」の裁判官の役を演じました。
ツァンパネッロ役の俳優(中央の人物)が急病で入院したため、急遽代役が、この役を引き受けたのですが、
なかなかの好演。友達の説では、代役の俳優は長年、柔道をやっており、そのため集中力があるので、
短期間に代役の役柄とセリフをマスターしたのだとか
後天性免疫不全症候群(エイズ)は、以前には、発病後短期間のうちに患者が死亡する不治の病でした。
当初は社会的偏見も多く、エイズ患者とわかれば、当人は職を失い路頭に迷うという状況に追い込まれました。
このためアメリカでは、エイズ患者から生命保険を買い取るというビジネスが成立したそうです。中には
この喜劇のように悪質な買取人もいたでしょうが、公正な買取りの場合には、エイズ患者の救済策という
役割も果たしたようです。Wikipedia:
後天性免疫不全症候群