5月にアップする予定だったお話の続きです。
友達のお父さんは高名な彫刻家でした。
彼は美術アカデミー教授で、試験官も務めていました。
その頃、アドルフ・ヒトラーという名の貧乏な画家志望青年が
2回、美術アカデミーの試験を受け、2回とも落第しました。
友達のお父さんも、ヒトラーを落第させた試験官のひとりです。
友達に言わせると「私の父も、ちょっと第二次世界大戦に責任がある」そうな。
確かに、ヒトラーがアカデミーに受かっていたら
無名の画家で一生を終わったかもしれません・・・
お父さんは、その責任を感じてか、反ナチスのレジスタンスに参加し
ゲシュタポに逮捕されて、強制収容所へ送られるはずでした。
ところが「収容所送り候補者」の書類を扱った担当官は
お父さんの彫刻のファンで、当該の書類を意図的に「紛失」させたのです。
それで、ヒトラーを落第させた彫刻家は、無事、終戦を迎えたのでした。
Wikipedia:
アドルフ・ヒトラー
Wikipedia:
ゲシュタポ
Wikipedia:
マウトハウゼン強制収容所(お父さんが行きそこなった強制収容所)
「アドルフ」に関する以前の記事
アドルフその1ドイツ
アドルフその2スイス