2年ほど前、シリア出身の友達(本人はアッシリア人の末裔)が「シリア人同士の間では、戦闘をやめて何とか事態を収拾しようという動きがあるのだが、外国から入り込んでくるテロリストが最も悪質だ」と言っていました。
今やシリアは、主としてIS(イスラム国)に合流しようとする色々な外国人テロリスト(及びテロリスト志願者)のたまり場になっています。現地の現実にショックを受けてISから離れて帰国する人のほか、ヨーロッパでのテロ実行のため再びヨーロッパに潜入する場合もあるようです。でも、わざわざ苦労の多い難民のふりをするテロリストは、いたとしても例外でしょう。
彼らの出身地域は主にヨーロッパと北アフリカのアラブ諸国(マグレブ諸国)です。
日本語のウェブサイトにも沢山情報があるようですが、11月18日付けNZZ(新チューリヒ新聞)に分かりやすい略図が載りました。
ちょこっとアップしても見にくくてすみません
この見取り図の出典は、
ICSR資料による「ワシントン・ポスト」の記事。
1000人以上の「輸出国」を多い順に並べると・・・
チュニジア:3000人
サウジアラビア:2500人
ヨルダン:2089人
モロッコ:1500人
フランス:1200人
1000以下でも多いのは
レバノン:900人
イギリス:600人
ドイツ:600人
トルコ:600人
オーストリアからは150人、この新聞の発行されているスイスからは71人。
チュニジア、サウジアラビア、ヨルダン、モロッコは、アラブ諸国の中で「表面的には」安定している国々ですが、表層に現れないところで社会矛盾がくすぶっているのではないでしょうか。
フランスは、かつてフランスの植民地だった国々からの移民が多く、その2世、3世が、持続する差別の中で世の不正を感じ、展望のない鬱屈した日々を送っているか、そういう見方を吹き込まれたということでしょう。
イギリス、ドイツも似たようなことが言えるでしょうが、移民でなくISに傾倒する場合も少数あるようです。
植民地主義時代は形式的には第二次大戦以降、大半の植民地が独立した1960年代に終わりを告げたはずですが、植民地主義(という差別構造と差別意識)は今も続いているのだと思います。
「
制度はなくなっても意識は長く残る」のです。
ウィキの
植民地主義記事は書きかけ不十分、
帝国主義の方が少し詳しいです。
ちょいゴタで、また数日更新無しになるかと思いますが、今後とも宜しく
でも乞無期待