古典落語風に書いてみます
相変わらず超下手なラクガキですみません

上の文字はディマシュク・ル・カディーマ(旧市街)
えー毎度、馬鹿馬鹿しい噺でございます。
その昔、テレビというものが初めて市販されるようになった頃のことでございます。もちろん白黒でカラーはまだありません。
ダマスカス旧市街の一角で、あるお金持ちが近隣で初めてのテレビを買ったのでございます。
ここは近所の人たちの集会所のようになりましてな。
イスラムのしきたりを重んじる人たちなので、週に一度、映画の時間に近所の女性たちが集まるようになりました。このときは男子禁制です。
映画を見に集まっているのは皆女性なので、スカーフをする必要はありません。ところが、この家の主婦は常にスカーフをはずしません。画面に知らない男が現れるから油断はならない、というわけでございます。
集まる女性の中で特に隣の奥さんはテレビに夢中になりました。
そのうち、反対側の隣の家でもテレビを買いました。
まんなかの家の奥さんはテレビが欲しくてたまりません。ところがご亭主は貧乏でテレビが買えません。
すったもんだの挙句、テレビの無い家の奥さんは家出しまして・・・最初にテレビを買った隣家に居候してしまいました。
テレビの買えないご亭主と家出女房のゴタゴタは続き、近所の男たちも困りました。
遂に近所の男たちが、この町内の長老のところへ相談に行きました。
長老が「それでは、お前たち金を出し合ってテレビを買ってやりなさい」と言うので、男たちは仕方なく金を出し合ってテレビを買い、家出女房も家へ戻り、やっと全て元通りになったということでございます。めでたし、めでたし。
このエピソードは「
人間的状況」で紹介した短編集の中のひとつです。本当にあった話が多いので、これも実話ではないかと思います。
ダマスカスの旧市街は長屋のようなところもあり、八っあん熊さんが出てきそうな雰囲気です。
ダマスカス旧市街の
バーブ・シャルキ通り
もっと狭い路地裏的なところも沢山あります。リンクした写真は2010年撮影。
シリア内戦が始まる直前の写真ですね。
戦乱が始まる前は、趣き深く美しい旧市街でしたが、今はどうなっていることか・・・
アメリカ、ロシア、サウジアラビア、トルコ、イラン、イスラエルなどの利害・思惑が交錯して、最終的な解決はいつになることやら。
果たしてシリアという国が存続するのかという不安も感じますが、なんとか明るい道が開けることを祈っています。