みみずのしゃっくり

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煉獄?

2019-05-28 | その他

5月26日は欧州議会の選挙最終日でした。欧州連合内で先に選挙のあった国々でも他の国々と歩調を合わせて26日に結果が公表されました。

いつものHPにオーストリア国内の欧州議会選挙投票動向(左が前回、右が今回)のフローチャートが載りました。



上から国民党(中道右派)、社会民主党(中道左派)、自由党(極右)、緑の党(環境保護)その他となっています。
前回書いたスキャンダルにもかかわらず、極右党の得票減少は僅かでした。つまり、極右党を選ぶ層は「政治とはそんなもの」という発想なのかも知れません。
女性と男性では、はっきり傾向が分かれ、女性投票者層では極右党は第4党、男性投票者層では極右党が第2党でした。また一貫した傾向ですが、教育水準が高いほど極右党支持率は低くなります。
一番下のグレーの部分は投票しなかった層で、今回は少し減りました(投票者が少し増加)。


      


さて以下は長い蛇足です。また長くてごめんなさい


今や遠い昔、欧州連合が発足したころ、ドイツの週刊紙「ディ・ツァイト」に次のようなジョークが載りました。


天国ではイギリス人が警官で、フランス人がコック、イタリア人が恋人で、ドイツ人が全体をオルガナイズする。
地獄ではフランス人が警官で、イギリス人がコック、ドイツ人が恋人で、イタリア人が全体をオルガナイズする。
さて欧州連合は天国か地獄か?



4ヵ国に対するステレオタイプのイメージですが、イギリス人は正確だが料理はまずい、フランス人は料理は上手だがいいかげん、イタリア人はムードはあるがメチャクチャ、ドイツ人は全てを見事に取り仕切るが全然ムードがない、というわけです。

もちろん、これは単なる冗談で、料理の上手なイギリス人もいるし、マネージメントに優れたイタリア人もいます、等々etc・・・

で、実際、欧州連合が発足しても、一般市民生活のレベルで大まかに言えば良くも悪くもなりませんでした。便利になったのはユーロ圏というのができて、近隣諸国へ行く場合の両替の手間がなくなったことです。但し、これも表面的なことで、各国の物価・経済水準、賃金制度等々の違いがあるまま通貨だけ共通になっている矛盾をはらんでいます。

以前にも書きましたが、もともとイギリスは微妙な存在でした。「イギリスはアメリカに近いか?ヨーロッパに近いか?」というジョークもあるほどです。そのイギリスは今や欧州連合を脱退しようとしています。しかし脱退(ブレグジット)に関するイギリス国内の賛否は殆ど半々です。しかし現在の趨勢からは、延期を繰り返した末、10月に欧州連合を脱退する予定です。それでも、まだ連合内なので今回の欧州議会選挙は行われています。なんか変

鉄のカーテン消滅後、旧東欧圏の国々はこぞって欧州連合に加盟したがりました。加盟するだけで突然飛躍的に裕福になるというような幻想を抱いていたのかもしれません。他方、もともとの西側諸国でも「欧州連合への拠出金を出すのは嫌だが助成金はもらいたい、自国のことは自分で決めたい」というワガママが蔓延しています。
冷戦時代は色々な食い違いがあってもソ連圏への対抗という点で団結できた国々で自国最優先のナショナリズムが台頭しています。

しかし、今の欧州連合の出発点は「平和を守る」ということでした。2つの世界大戦でヨーロッパにおける2つの主要な交戦国であったフランスとドイツが「この2国が友好関係を築き維持していかないとヨーロッパの平和は保てない」という考えで歩み寄り、やがて諸共同体が発足。それが紆余曲折を経ながら発展し今日に至ります。経済共同体は「経済的な利害が共通していれば敵対できない・協力しなければならない」という発想に基づいています。


えー、長くなりましたが、今の欧州連合は、天国でも地獄でもなく、せめて煉獄・・・だと思いたいです