ウィーンの
ライヒスブリュッケ(敢えて訳せば「王国橋」)の下を泳ぐ2人

この人たちは遊んでいるのではありません。
フルトヴァンゲン大学(ドイツ)と
ウィーン大学の化学教授です。
来春の
ドナウ川全流域「踏破」ならぬ「泳破」に向けてのリハーサルです。
フルトヴァンゲンの先生は既に
ライン川と
テネシー川を水質調査のため「泳破」しています。
これは環境保護団体と研究者の協同による「
クリーンダニューブ」プロジェクトの一環で、水質汚染の調査、とりわけ
マイクロプラスチックや産業排水、生活排水、農薬による汚染の調査を目的とし、同時に環境保護を呼びかけるものです。
このため、50~100㎞ごとに同航する調査ボートで水質検査が行われます。泳者の足には魚の表皮を模したシートが装着され、魚類の体表汚染も調査されます。
泳げる最上限
ウルムを起点にドナウ川が
黒海へ注ぐ
ドナウ・デルタまで、毎日8時間(4時間泳いだ後に昼食休憩)泳ぐのだそうです。
もちろん、ウィーンなど流域の大都市では休憩泊があり、同時にワークショップが開催されます。
ウィーン大学の研究者による2014年の調査では、毎日4.5トンの「プラスチックごみ」がドナウ川から黒海へ流されています。
2015年に
ウィーン農科大学が発表した調査によれば、年間約40トンの「プラスチックごみ」がドナウ川から黒海へ流出しています。
ドナウ流域の環境保護のため、更に詳細な最新のデータが必要とされています。
プラスチックごみ、
マイクロプラスチックに加え、プラスチック加工の際に使用される軟化剤その他も海に流れ込み、魚類など海生生物に取り込まれて濃縮され、最終的には食事を通して人体に影響します。
合成樹脂が登場して以来、「これは便利だ」というわけで無造作に大量消費してきた結果、地球上の海洋には膨大な量の「プラスチックごみ」が浮遊あるいは沈殿しています。海生生物の死亡事故も膨大な数になっていると思われますが、その本格的で大規模な調査などは殆ど行われていません。
合成樹脂の環境への影響
ドイツとオーストリアの化学者と環境保護団体のドナウ全流域調査は、地球を守ろうとする人たちの多くの努力の一環として大変重要なものです。
元の記事(ドイツ語)
「プラスチックごみ」は特に若いウミガメにとって危険であるという記事(ドイツ語)