産業革命以降の社会発展の集大成が2つの世界大戦であり、その結果、20世紀は戦争と動乱・紛争の世紀となりました。
第一次世界大戦は
列強の縄張り争いであり、その愚かな戦後処理が第二次世界大戦への遠因となりました。そして英仏の譲歩がナチスを増長させました。ドイツとソ連が戦って共倒れになればよいというのが英仏の下心でしたが、結局世界大戦となってしまいました。これと並行して
冷戦の時代が始まりました。以上の歴史も詳しく分析しようとすればきりがありません。
超簡略化すれば第二次世界大戦後の東欧の歴史は、ソ連帝国主義からの解放の歴史でした。その試みのひとつが1956年の
ハンガリー動乱です。
ブダペスト市街を走行するソ連軍戦車
以前私がお手伝いをした和英辞典を編纂したのはウィーン工科大学の先生です。
この先生は父親が
ハンガリー人、母親が
オーストリア人で、ハンガリーで生まれました。しかし母親はハンガリーでの生活に耐えられず、幼い息子を置いてオーストリアに戻ってしまいました。
両大戦間から第二次世界大戦直後の時代、ヨーロッパ中が混乱していましたが、ハンガリーの人々にとっても混乱と困難の時代だったと思います。
工科大学の先生が24才のとき、母親に会いにオーストリアに来ていました。それが1956年の10月で、ハンガリー動乱が始まったのです。先生はハンガリーに戻らず、そのままオーストリアに留まりました。先生はバイリンガルで育ったので、全く言語の問題は無かったでしょう。それにハンガリーへ戻るのは非常に危険だったと思います。
ウィーンから
ブダペストへは、ウィーンからオーストリア西端の
ブレゲンツまでより遥かに近いのですが、それでも「東と西」の大きな隔たりがあったのです。
辞典を紹介した記事:
K好む国
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