今を去る1年前のことでございます(正確には1年と1ヵ月20日ほど前)。
その記事に「今度こそ続けます」と書いたのに、のに、のに・・・
漸く、その「続き」に、のそのそドンブラコと、こぎつけました
「町人貴族」のマーチに魅せられて、あちこち脱線しながらリュリという作曲家のことを調べるうち、リュリが事実上の主人公である映画を発見
それがジェラール・コルビオ監督の「王は踊る」でした。もちろん、独アマゾンでDVD購入。
「町人貴族」のマーチは「三兄弟の週末」にアップしてあります
DVDの表紙
その1場面:少年王ルイ14世(後の太陽王)が踊ります。
作曲家・指揮者のリュリと王の怪しげな関係も・・・
バイエルン王ルードヴィヒ2世とリヒャルト・ワーグナーほどの決定的関係(ルードヴィヒの庇護なしにはワーグナーの台頭は不可能)ではありませんが、ルイ14世が長年リュリを厚遇したことは確かです。
リュリはイタリア人で本来の名前はジョヴァンニ・バッティスタ・ルッリですが、フランスに帰化し、名前もジャン・バティスト・リュリに改めました。彼は以降のフランス・バロック音楽に大きな影響を与えました。
しかし、非常に問題の多い人物で、王の寵愛を背景に様々な陰謀をめぐらしライバルを排除し、モリエールをも追い落としています。バイセクシャルであり(それだけなら「個人の自由」で本人の勝手)、これに関連して殺人もおかしているらしいのです。しかし、リュリの音楽は流麗です。
「王は踊る」は怪しく華麗な映画ですが、リュリが何者かは結局分かりませんでした
ルイ14世が踊る場面は見事で、また王が馬上でポーズするのを宮廷画家が絵画に制作する場面は、王政時代のPRの実態を示していて愉快
母と宰相の「あやつり人形」から自立した支配者となるには色々苦労もあったようです。
そして太陽王と呼ばれ一世を風靡したルイ14世の後、早くも16世はフランス革命の混乱の中、ギロチンで殺されました。
リュリは当時一般的だった槍のような指揮棒で誤って足を傷つけ、傷口の化膿で世を去りました。
DVDは日本アマゾンでも扱われていますが、今は中古品だけかな
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