アルプス登山史上最も著名な登山犬チンゲルのNZZ記事には、登山猫トンバについても言及されていました
で、ネット検索で、彼の姿と生涯を知ることができました
トンバの雄姿
頑丈で意志もしっかりしている様子がわかります
登山家とともに稜線を行くトンバ
登山猫トンバの生涯
スイスの小さなスキーリゾート・カンダーシュテークからロープウェーと徒歩1時間半で山岳ホテル・シュヴァーレンバッハに到達します。海抜2200メートルにあるホテルで1988年8月7日、雄猫が生まれ、当時活躍していたイタリアのスキー選手アルベルト・トンバに因んで、トンバと名付けられました。
トンバは既に少年時代から自分で山歩きに出掛け、あるときはゲミ峠を越え、直線で10キロ離れ、800メートル下にあるロイカーバートまでワンデルング(猫だからニャンデルング)したということです。
あるときは、ホテルに泊まった3人の登山客とともに、海抜3454メートルのリンダーホルンに登頂しました。その数日後、別の登山客とともに、海抜3699メートルのバルムホルン山頂まで一緒に登りました。
これ以降、トンバは繰り返し、ホテルに泊まる登山客とともに周辺の山々を征服しました。天気の良いときは、すぐに同行者と戻らず、氷河の登り口で次の登山客を待ったということです。
トンバは登山のパートナーを自分で選びました。前夜に宿泊客のグループを見てまわり、どうやら臭いで、翌日の登山パートナーを決めていたようです。自分で登山パートナーを選ぶところが、猫さんらしいと思います。
1989年9月5日、ある登山家夫婦が、翌日の登山計画をホテルのオーナーに話し、他に登るグループがいるかどうか尋ねたところ、オーナーは「猫くらいかな」と返事しました。翌日早朝リンダーホルンに向かって出発した2人は、猫が一緒に歩いているのに気づき、前夜のオーナーの言葉の意味が分かったのです。
別の時、やはり若いカップルがトンバと一緒に登山していると、突然トンバが先に進むのを嫌がり、大きな岩陰に消えました。2人はトンバが何か発見したのかと思い、後に続きました。その直後、雪崩が起こり、岩陰の一行は難を逃れたのです。人間には分からない前兆をトンバは感知したのでしょう。
これは私見ですが、全ての猫さんが、トンバのような能力を持っているとは断定できないように思います。
トンバは海抜2200メートルで生まれ、周辺の山々を歩き回っていて雪崩の前兆などにも鋭敏だったのではないでしょうか。トンバはまさしく「山猫」だったのです
以上のエピソードなど様々なトンバの登山記録は、同行の人々によって撮影され、詳しく報告されています。
大型犬のチンゲルと違い、トンバは既に高山を出発点として登頂しているのですが、それでも、大型犬よりずっと小さい猫さんが、雪渓や氷河などを克服し人間と一緒に多くの山頂に達したのは、すごい「業績」だと思います。
(犬科の方々は耐久力で追跡猟をしますが、猫科の方々は瞬発力で狩猟し、あまりスタミナはありません)
トンバは1993年1月17日、猫エイズのため世を去りました
出典はこのサイトです(ドイツ語)
山岳ホテル・シュヴァーレンバッハのHP(英語)
しかも飼い主さんについて歩くんじゃなく、
自分で同行する人を選ぶんですね。
寒いときもあるでしょうに、すごいなあ。
日本でも神社仏閣のお参りに同行する猫や犬はいるようですが、登山猫は聞いたことがないです。
こんな頼もしいネコがいるなんて…
うちも、もう少し山にでも連れて行けばよかった…。
ことばがしゃべれたら、どんな人生だったか聞いてみたい…
<ののちゃんより>
もう帰り道が分からなくなったりします
トンバの場合は、高山の「一軒家」で生まれ
小さい頃から自由に外を歩き回ったので
かなり自立した生活感覚だったのでしょう
男子ですから、かなり広い地域を「オレの縄張り」と認識し
「見回り」感覚で周辺の山々を踏破していたのかも
トンバも子猫のときから周囲を歩き回って
肉球も、しっかり鍛えられてたのでしょう
ののちゃんはトンバ的素質があったと思います
あんなにおっとりして「散歩上手」な猫さんも珍しい
そりゃもう「お魚沢山食べて、沢山散歩して
幸せなニャン生でした」っておっしゃるに違いありません