「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
令和元年(2019)5月17日(金曜日)
通巻第6082号
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人民元為替レート、1ドル=7人民元を中国は死守できるか?
保有米国債を売却すれば、かえって中国の首を絞めることになる
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国際金融市場において、米中貿易戦争の険悪化で深刻な懸念が拡がっている。
第一の懸念とは中国人民銀行(中央銀行)は、人民元為替レート、1ドル=7人民元をいつまで死守できるか? という問題である。
第二の懸念は習近平が面子にかけてどぎつい報復にでた場合の最悪のシナリオは、中国が保有する米国債券を売却するのではないかとする懸念である。
米中貿易戦争が第三幕(3000億ドル分にも25%の課税)に移行するや、上海の株式市場は下落を演じたが、人民元も対ドル相場を下落させ、1ドル=6・9人民元となった(韓国ウォンはもっと下落した)。
逆に安定感のある日本円は上昇した。
中国にとって、為替の死守線は1ドル=7人民元であり、これを割り込むと、下落は底なしになって1ドル=8人民元を割りこむことになるだろう。
中国人民銀行はしずかに香港での対策を講じた。3ヶ月物と一年物の短期債券を100億元(1700億円)発行して、香港の通貨市場に介入し、人民元を買い支えたのだ。なんとしても、人民元の下落を防ぐ狙いがある。
またASEAN諸国は1997年のアジア通貨危機の二の舞を演じかねないとして、中国の金融当局の出方を注目している。
中国は最後の報復手段だとして、保有米国債を売却すれば、かえって中国の首を絞めることになることを、金融界は承知している。しかしながら、あの「やけくそプーさん」こと習近平が何をしでかすか分からないだけに、警戒を怠らないのである。
米国債(米国の赤字国債総額は22兆ドル)は5月12日統計で、中国が依然首位の1兆1230億ドル、日本が1兆420億ドルを保有している。
◇◎□◇み◎◇◎▽や◇◎▽◇ざ◇◎▽◇き○□◎▽
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● 日独以外は、すべて為替は安くなるでしょう。この意味するところは、
貿易が黒字で稼ぐ力がある国という事です。つまり、人間でいえば
現時点の高給取りという事です。
● 危機になれば、普段は国際的投資で稼いでいる資金は、臆病な分、元の
所有者に戻ってきます。つまり日独、等にです。だから円が買われて
円高になるのです。以前の私の予想では95円前後という事でした。
● 勿論1ドル=95円前後という事です。この円の強さが将来の日本が
リーダーであることを端的に示しています。勿論再び暴落が
落ち着けば再び円は世界に出稼ぎに行きます。
● 当然円安傾向が出てきます。2030年前後は、1ドル=150~160円とも
予測しましたが、それも現時点では変わっていません。そうすると
再びリーダーはUSAではないかと思われるでしょう。
● その通りです。今後10年間はUSAは最後の姥桜を咲かせて有終の美を
飾ります。しかしそれで終わりです。USA/大西洋資本主義諸国の
資本主義が音をたてて崩れて行きます。巨大な轟音です。
● 世界が第三次大戦の結末を迎える天王山の戦いがその後
起こります。もちろんすでに内戦型世界大戦は各国で
進行しています。今後も非対称性の戦いが主でしょう。
〇 我々は今世紀の歴史的ショウを見ているのです。西欧から東洋への
文明の移行、そして西欧資本主義の大崩壊の巨大歴史ショウです。
歴史経済波動学を学べば、すべてが見えるのです。