フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

7月29日(日) 晴れ

2012-07-30 01:41:37 | Weblog

  7時、起床。バタートースト、レタス、牛乳の朝食。肉も卵もないシンプルな構成なり。昼食を「喜楽亭」でとるつもりなので。

  午前中、ブログの更新、ゼミ要項の作成など。

  午後、散歩に出る。下丸子の「喜楽亭」に行く。3週間ぶりだ。下丸子の駅舎の天井に燕が巣を作っていた。

   店内が涼しくない。ご主人が申し訳なさそうに「クーラーが壊れてしまって・・・」と言う。30年以上使い続けているものらしい。修理を依頼しているが、部品などはすでになく、電気屋さんに「物持ちがいいのも考えものですね」と言われたとのこと。ご主人が私のためにスイッチを入れてくれた扇風機も同じくらいの時代ものである。

  メンチカツ定食を注文して待っていると、中年の男性が入ってきて、「暑い、暑い」とさかんに言う。ご主人がまた申し訳なさそうにクーラーが故障していることを告げる。男性はやれやれという感じでビールを注文した。昔、クーラーというものが出始めた頃、店先に「冷房中」という貼紙を出している飲食店があった(というか、それが普通であった)ように記憶している。そうすると集客力がアップしたのである。いまはわざわざ「冷房中」なんて貼紙はしない。当たり前だからだ。むしろ、今日の「喜楽亭」のような場合、「冷房故障中」と出すべきかもしれない。元々お客が少ないのだから、売り上げの低下は微々たるものであろう。

  男性はそうとうにストレスがたまっているらしく、夕方まで3時間ほど時間を潰さなくてはならないのだが開いている飲み屋がないとか、給料が半分になって手取りで8万円しかないとか、女の子に5千円渡さないとならないとか(意味不明)、着替えのシャツを買いたいが商店街に洋服屋がないとか、あれこれ一人でぼやいている。うっかり話の相手になると面倒そうなので、男性には背を向けたまま、静かにメンチカツ定食を食べる。男性が、ご主人に教えられたスーパーの2階の衣類コーナーで、「Tシャツでも買うか」と言って店を出て行った後、ご主人が私に話してくれたところによれば、彼は千葉の方に住んでいるのだが、最近失業して、このあたりに住む知り合いを頼って、職探しをしているのだという。土地勘のない場所で、この暑さでは、ストレスが溜まるのも無理はない。

  「喜楽亭」を出て、その足で、恵比寿の東京都写真美術館に行く。下丸子ー(多摩川線)-多摩川ー(東横線=中目黒から日比谷線直通)-恵比寿というルートだ。


 今日のお目当ては「田村彰英 夢の光」展

  田村の作品はこれまでにも何点か美術館で見たことはあったが、今回のように活動の軌跡の全体を見渡すように見たのは初めてである。とても魅力的な写真家である。感想をあれこれ述べたい気持ちもあるが、睡眠時間を削るのはよろしくないので、行動の報告だけ。展示会は先週末から始まったばかりで、9月23日(日)までやっている。

  6時過ぎに帰宅。駅前のしのだ寿司で生蛸の握りをお土産に買って帰る。