7時45分、起床。
トースト、サラダ(ウィンナーソーセージ、トマト、レタス)、紅茶の朝食。
9時半に家を出て、池袋へ。東急ハンズ池袋店で開催中の「文鳥と仲間たちトリトブ部屋」展にカフェ仲間の陶芸家清水直子さんが出品しているので、卒業生のアリさん(2000年卒、一文社会学専修)と一緒に見に行く約束をした。アリさんとは昨年11月に清水さんが吉祥寺東急で個展を開催したときも一緒に行っている。清水さんの作品のファンなのである。
池袋東口のサンシャイン通り入口の五差路のところで待ち合わせる。今日は夏の陽射しが強いが、ここは大きな木陰になっている。
次女のミリちゃんも一緒である。吉祥寺東急の個展のときは6か月だったミリちゃんは、先日、満一歳になった。
今回の作品のメインモチーフは文鳥であるが、文鳥以外の鳥の図柄の作品も多い。
あれこれ迷った末、アリさんはスワン柄の湯呑に決めた。前回の湯呑は長女に譲りますとのこと。
買物を終えて、駅前の「TAKASE」というカフェで昼食をとることにした。昭和感にあふれた店で、ベテランの店員さんに尋ねたところ、創業して90年ほどとのこと。おそらく大正時代からやっているカフェなのだ。(あとからネットで調べたら創業は9年で、パン屋としてスタートしたそうである)。
私はホットサンドとクリームソーダを注文。
アリさんはクリームソーダという注文に小さな驚きを隠さなかった。「子供みたいですね」と。君、社会学を勉強した人間は、クリームソーダ=子供という固定観念(暗黙の規範)から自由でなくてはダメだよ。
彼女はレディースセットというものを注文し、ミックスサンド(ハーフ)+モンブラン+アイスティーという組み合わせだった。ケーキは8種類くらいからチョイスするのだが、私だったらサバランをチョイスするところだ。それを言ったら、アリさんは「サバランにはお酒が含まれてますけど、それは大丈夫なんですか?」と再び驚いた。あいかわらずクリームソーダ=子供と思い込んでおる。
一生の楽しきころソーダ水 富安風生
空港のかかる別れのソーダ水 成瀬櫻桃子
ソーダ水方程式を濡らしけり 本井英
私の愛用している歳時記には「クリームソーダ」を詠んだ句は載っていないが、いずれ私が「クリームソーダ」の句の決定版を作ってみせよう。
店員さんにお願いしてスリーショットの写真を撮っていただく。
アリさんが化粧室に行っている間、ミリちゃんと二人きりになる。愛想のよい子でよかった。
世界には素敵な組み合わせというものたくさんある。「青い空と白い雲」というのはその代表だが、「美しい母親とかわいい子供」、「メロンソーダとアイスクリーム」というのもそれに負けず劣らず素敵な組み合わせである。
でも、アリさんはピンでも魅力的である。広いおでこと大きな目。
ミリちゃんが歩きたいみたいだったので、五差路の木陰で歩かせる。よちよち歩きながら、転ばずに、せっせか歩く。
私が側について(ときに手をつないで)歩く姿を見て、「ミリとジジ」とアリさんが言った。ジジ(!)。そんな童話があった気がする(ないです)。
素敵な組み合わせにはときとして付属物がある。「メロンソーダとアイスクリーム」に付属する「サクランボ」みたいな。それはクリームソーダにとっては本質的なものではないが、ないと物足りないというもので、それなりの存在感を有している。はたして「美しい母親とかわいい子供」と「ジジ」の関係もそういうものだと言えるだろうか。う~ん、言えまい。
次に会うときはかなりのおしゃべりになっていそうな気がする(間違いない)。
アリさんミリちゃんと山手線に乗り、私は高田馬場で降りた。
大学へ。
研究室で使っている清水さんの湯呑はこれで3個目になった。右端の大きめの湯呑が今回購入したものである。
1時半からI君のゼミ論指導(3時まで)。
ゼミ論指導を終えて、大学を出る。スロープ横のメタセコイヤの大木が夏の青空を見上げている。生命のエネルギーに溢れている。
いったん帰宅し、妻と母の見舞いに病院へ行く。あれこれ確認しておきたいことがあった。母はベットに寝ていたが、上体を起こして、私が持参した資料を見ながらテキパキと答えてくれた。もうしばらく食事をしていないから体力はずいぶんと落ちているが、気持ちはまだしっかりしている。大したものである。
夕食は豚肉生姜焼き。