7時、起床。青森旅行二日目。
朝食をしっかり食べる。美味しかったからというのもあるが、今日は昼食を食べない、あるいは食べるとしても遅い時間になるので、朝食をしっかり食べておく必要があるのだ。それにしてもホタテの味噌焼き(右上)が朝食に出るというのはすごいね。カレー(左下)もただのカレーではなくてホタテカレーである。
デザートの果物もしっかり食べる。
10時にホテルをチェックアウトし、10時37分発の奥羽本線で弘前へ。弘前には11時18分着。
卒業生の高瀬君(一文、1998年卒)が出迎えてくれる。早稲田大学での最初の教え子で、現在、弘前大学の准教授。青森旅行の一番の目的は彼に会うことである。
彼の運転する車に乗って、大鰐(おおわに)温泉にあるデザートレストラン「シュバルツバルト」へ行く。
昨日のカフェ「シュトラウス」と同じく室内はヨーロピアン調である。
ここはデザートレストラン。つまり、デザートの専門店。ホテルで朝食をしっかり食べておいたのはそのためである。
シュバルツバルターキルシュ・スペシャルとピーチメルバの二品を注文。
うっとしするほど美しいが、店内での写真撮影はNGの店なので、去年、特別に(ほかのお客さんがいない時間帯に)撮らせてもらったピーチメルバの写真を載せておきます。
ルビーのような美しさ。これが私、キング・オブ・ピーチメルバ(まやんち認定)にとって、今年最後のピーチメルバだ。
岩木山神社に行く。
途中、とうもろこしの直売所で茹でとうもろこしを購入。
道路沿いに直販所はたくさんあるが、高瀬君はこの店で買うと決めているようである。
「嶽(だけ)きみ」という品種で、地元の人びとの間では大人気らしい。「嶽きみ」を生産している農家は、これだけで一年間の生活費を得ているという。つまりこの時期に収穫して販売してしまえば、後は遊んで暮らせる(本当に遊んでいるかは別として)らしい。それは素敵なライフスタイルだ。
小粒だがぎっしり詰まっていて、とっても甘くて、美味しい。
11日(金)、12日(土)、13日(日)は年に一度の「お山参詣」で、とくに昨日の「宵山」は大変な人出らしいが、今日は3日目でこの雨なので、露店は早々に店仕舞いのようである。
それでも何軒かの大きな露店はまだ営業をしている。「やまざき」に入る。
営業中ではあるが、われわれのテーブルの横では、女たちが食器を新聞紙で包む作業をしている。
私は支那そば、高瀬君は蕎麦を注文。津軽の蕎麦は切った蕎麦を茹でて一晩寝かせてから茹でる。
空腹が満たされたところで、お参りをする。晴れていれば背後に岩木山が見えるのである。
桜門。
中門をくぐる。
お参りをすませ、拝殿から中門を振り返る。
宮司さんが賽銭の回収をしている。
桜門のところで記念撮影。
参道で記念撮影。
門前にある「富士見荘」。岩木山は津軽富士とも呼ばれている。
市内に戻り、高瀬君の奥さんと娘さんと対面。もう1歳半になるんだね。
私を見た瞬間に「わっ」と泣き出した。典型的な人見知りであるが、泣かれたのは久しぶり。こういうときはなまじあやしたりしたら火に油を注ぐことになるので、目を合わさないようにしてしばらくやりすごす。
そのうち泣き止んだが、警戒心は解いていない。
カフェに入る。娘さんはお父さん似である。
お父さんと遊びながら、ときどきお父さんの隣にいる私の方へ見ている。
ベビーカーを押す役を奥さんと交代する。彼女の視線からは私は消えたが、この子は頭がいい、お父さんとお母さんが目の前にいるので、「あれ? ベビーカーを押しているのは誰?」と思ったのだろう、後ろを振り返って、私が押しているのを見て、「わっ」と泣き出した。
泣き止むのを待って、ツーショットを撮ってもらう。
女子供は家に戻り、男たちは夜の街へ。
また、ここか。関心がないわけでもないが、今夜はやめておこう。
邪念を振り払うべく、五重塔がライトアップされている最勝院へ。
一戸時計店。
日本聖公会弘前昇天教会。
弘南鉄道大鰐線の中央弘前駅。
街歩きを続ける。
去年もここで(ただし昼間)、このポーズで写真を撮った。「アナ雪」が大ヒットしていたときのことである。
車で20分ほどの黒石町へ。
高瀬君が私に見せたかったのは、これ。中町のこみせ通り。「こみせ」とは江戸時代からのアーケード。商家が店の前の通りに出しているひさしである。
他の地方(新潟など)ではこれを「雁木」(がんぎ)と呼ぶ。将棋の王様の囲い方に「雁木囲い」というのがあるので、私には「雁木」の方がピンとくる。雁の群れが空を飛ぶ時の編隊を連想させるからだろう。
弘前に戻り、「いもや」に夕食を食べに行く。
ご主人の對馬さんとは一年ぶりの再会である。早稲田の「いもや」の女将さんが「アキちゃんによろしく」と言っていましたと伝える。「内弟子の中でアキちゃんは一番真面目な子だった」との言葉も。
早稲田の「いもや」より少し贅沢なメニュー。
とりあえずてんぷら定食を注文。
後はお好みで、ずわい蟹(写真を撮り忘れた)、帆立、ペコロス(小玉ねぎ)、嶽きみのかき揚、人参を注文。
どれもこれも美味しい。
ごちそうさまでした。また来ますね。
車で宿まで送ってもらう。高瀬君とはここでお別れ。どうもありがとう。来年は函館にも足を延ばしましょうということになった。
屋上の露天風呂に入る。極楽、極楽。いつの間にか空には星が出ている。明日は快晴だろう。
寝る前にシップを両足の甲に貼る。「奥の細道」のとき、芭蕉はまだ40代の半ばであった。それでも足三里(膝の下、靭帯の外側にある窪み)に灸を据えて旅を続けたのである。
雨には降られたが、楽しい一日だった。改めて曽良(そら)役の高瀬君に感謝。
1時、就寝。