フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

9月14日(月) 晴れ

2015-09-17 13:01:16 | Weblog

6時半、起床。青森旅行三日目。

食事の前に朝風呂(露天)に入る。昨日の雨が嘘のような快晴で、岩木山がくっきりと見える。「よく晴れましたね」と脱衣所で居合わせた客に言ったら、「こんなに晴れたのは久しぶりです」と答えた。仕事で長期滞在の人らしい。

朝食は昨日とは逆に控えめな量にしておく(そうは見えないかもしれないが、ご飯やパンはなし)。

宿を8時半にチェックアウトし(「まれ」を観てから)、弘前発9:14のつがる1号に乗る。

林檎の図柄。

津軽平野の中の岩木山。

青森着9:47。

荷物を駅のコインロッカーに預けて、港へ。

普通の月曜日の午前中である。人は少ない。

しばらくベンチに座って、海と空を眺めていた。曇り日(一昨日)と晴れの日(今日)では海も空も表情が違う。

新町通りを歩いていたら嶽きみを販売していたので、2本購入。帰ったら茹でて食べよう。  

「ペピーノ」に行って昼食をとる。

シェフのおまかせサラダを注文。野菜をたっぷり食べたいときはこれ。

ハンバーグを自家製のトマトソースで。付け合せの野菜たちは味付けはされていない。素材そのものに甘味がある。お好みで少しの塩を振りかけて食べる。

食後のコーヒーは「シュトラウス」で。

ヴィーナメランジュ(エスプレッソ+泡立てた牛乳)。

もちろんザッハトルテも。ホイップクリームは無糖。

 これで青森に思い残すことはない。新青森13:52発の「はやぶさ」に乗車。

 

ところがここで事件発生、青森から新青森まで乗った列車(奥羽本線)の中に土産ものを入れた袋を忘れてきてしまった。諦めるしかないかと思ったが、「はやぶさ」の発車時刻までは10分ほど時間があったので、だめもとで戻ってみる。幸い、列車はまだホームにいて車内を清掃中だった。乗り込むと、ドアが閉まった(ギャ!)。清掃の人に「どうされたんですか?」と聞かれる。「忘れ物をしてしまって・・・」と答えると、その人はトランシーバーを取り出して、お客さん一人入っちゃいました。ドアを開けて下さい」と他のメンバーに連絡した。「どんな忘れ物ですか」と聞かれたので、「とうもろこしが入ったビニール袋です」と答える。「とうもろこしが入ったビニール袋です」と連絡。ほどなくして別のスタッフから「ありました」と連絡が入る。わかりやす特徴があってよかった。

このまま東京に戻るわけではなく(そうであれば、もう数時間青森に滞在しただろう)、福島で途中下車して、卒業生のSさん(論系ゼミ5期生、2015年卒)と会う約束がある。仙台で「やまびこ」に乗り換える。

空の景色が刻々変化して、眺めていて飽きない。

福島着は16:10。Sさんに出迎えられる。

今日は月曜だが、Sさんは土日が出勤だったので、今日は振替の休日をとっている。

名所旧跡の類はあまり興味がないので、「ぶらり途中下車の旅」的な街中の散歩がしたいとあらかじめお願いしておいた。

「承知しました、お任せください」と私を先導するSさん。歩き方が忍びの者のようである。

早稲町。彼女は浪人をしていたとき、この辺りの塾で、「第一志望早稲田大学」を目指して勉強していたそうだ。「ぶらり途中下車の旅」というよりも「ウチくる?!」のノリである。

すでに気づかれたと思うが、彼女の仕草はお笑い芸人みたいである。欽ちゃん(萩本欽一)みたいである。

カメラを向けると反射的にこういうポーズを取るのである。たぶん照れ屋なのだろう。

いかに彼女の「自然な」表情を撮るかが今日の課題の一つである。

福島県庁前で。ここが彼女の職場である。ハードな部署で働いているようである。

福島県のゆるキャラ「キビタン」と。「キビ」は穀物の「黍」のことかと思ったら、「キビタキ」という鳥のことだそうだ。

ミス福島みたいである。

県庁の隣にある板倉神社。高校生の頃、Sさんはよくここに来たそうだ。そのときは、将来、県庁で働くことになるとは思ってもみなかったそうだ。彼女が大学に入学する年にあの震災があった。大学卒業後は地元に戻って、地元のために働こうと思ったのはそのときからである。

神社の横を阿武隈(あぶくま)川が流れている。大きな川である。

土手を離れて街中へ。

彼女がよくラーメンを食べた食堂。いまはもうやっていない。

広い交差点で。向こうに見える煙突は缶詰工場のもの。彼女の同級生の家がやっているそうだ。

このケーキ屋さんも彼女の同級生の親がやっている。

福島稲荷神社。

何をお願いしているのだろう。

横断歩道を渡りながらおちゃらけたポーズをとるSさん。芸人根性を感じる。

文化通り。ここで彼女の幼馴染がお店をやっているという。

彼女の名はミホコさん。「大学のゼミの先生」「あっ、どうも」

彼女は「ルーシーズ・セレクト店」の店長さんである。とくに若い子向けということではなく、幅広い年齢の女性向けのファッションを提供する店である。「何かあたらしいことをしなくては」といつも考えているとのこと。

小学校、中学校を通じての親友で、当時は双子のようによく似ていたそうだ。

「ここで生きていく」と決めたんです、と彼女。地元志向は近年の若者の特徴の一つである。

がんばってね。

じゃあ、またね。

お笑い芸人のような別れのポーズ。いいコンビだったに違いない。

横から気づかれないように写真を撮る。「いま、撮りましたね」と彼女。は、はい。真面目な表情の君を撮りました。

駅前の高いビルの展望台に上る。高校生たちが勉強したり、おしゃべりをしたり、デートをしたりしている。

ちょっと憂いを含んだ木村多江風の表情をしてみました。

君もこの街でずっと生きてゆくのかな?(不確定要素が1つあるが、それは今日は深くふれないことにした)

夕食は、彼女が予約を入れておいてくれた「たつみ」という和食の店で。

破顔一笑。何の話をしたときかは忘れました。

私は魚三種の定食を注文。カレイの煮付け、ブリの刺身、焼き鮭。

Sさんは焼き魚と鶏肉の生姜焼きと肉じゃがの定食。

食後のコーヒーは「珈琲グルメ」というカフェで。

そろそろお別れの時間だ。福島発20:23の「やまびこ」に乗らなければならない。

ツーショットの写真を撮っていなかったことに気づき(さっきミホコさんに撮ってもらうのだった)、Sさんがスマホで自撮りをして、あとでメールで送ってもらったのが下の写真。うん、素直な笑顔をしている。

改札でさよなら。彼女が手に持っているのは、青森土産のリンゴのドロップとリンゴ柄のガーゼタオル。

仕事で疲れたらドロップを舐めて、眠くなったら冷たい水で顔を洗ってタオルで拭いてください。

東京駅着は10時。帰宅したのは10時半を回ったころ。

ただいま。