フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

10月16日(金) 小雨

2015-10-17 11:03:52 | Weblog

7時、起床。冷え込む朝だ。

一階の和室の雨戸を開けると、野良猫のなつが入ってきた。人に馴れているわけだが、部屋の中に入っても決して気を許すことはなくて、いつでも外に逃げられるように退路には常に気を配っている。

餌を持って来て、ベランダで食べさせる。

トースト、サラダ(ハム、トマト、ベビーリーフ)、紅茶の朝食。

11時半に家を出る。臨時休業明けの「phono kafe」にちょっと顔を出す。

梅ジュースをホットで注文して、大原さんと20分ほどおしゃべり。

千駄木に行く。東京駅で千代田線に乗り換えて4駅である。

こういうショットは『孤独のグルメ』の冒頭のシーンのようである。「千駄木、降りるのは久しぶりだ」。

地上に出ると、団子坂下の交差点である。

「谷根千」という言葉がある。「やねせん」と読む。谷中、根津、千駄木をまとめて差す言葉で、昭和の下町の面影を残す散歩コースとして人気がある。

カフェ「さんさき坂」。今日はここで個展「ここからの世界」を開催中(10月25日まで)の櫻井あすみさんと会う約束をした。

櫻井あすみさんは一文の卒業生で(2006年卒)、専修は社会学ではなく人文だったが、卒論は私の演習に出ていた。

お会いするのはそのとき以来で、当時はメガネはかけていなかったこともあり、印象が変わった。社長秘書みたいですね(笑)。

チキンカレーを注文。食べながら卒業から今日までの遍歴を聞く。

卒業して住宅メーカーで数年働いてから、絵の道に進むことを志して、広島市立大学の芸術学部に入学し、日本画を学んだ。今春、市立大を卒業し、実家のある東京に戻って、東京芸大の大学院(専攻科)に入学し、制作と並んで美術教育についても研究している。

今回の展示作品は10点。

「道行き」(2015)

朝の霞がかかったような色彩とタッチが彼女の持ち味である。

「白日」(2013)

静謐な真昼の町。「尾道ですか」と尋ねたら、「鞆(とも)の浦です」とのこと。尾道の海は狭いが、鞆の浦の海は広がりがあるそうだ。

「moment」(2015)

「a piece #2」(2015)

「少女」と「街」は彼女が繰り返し描くモチーフである。大きさが適当(値段も手ごろ)なのでどちらかを購入したかったが、すでにどちらも売約済であった。

ちなみに大学の卒業制作で描いた大作「あしたをみていたかった」ではこの2つのテーマが融合している。あの作品はお母様の静岡の実家に保管してあるそうだ。

「空の気配」(2015)

今回の個展のDMに使われていた60号の作品である。

絵の道でやっていくというのは並大抵のことではないでしょう。その決意に敬意を表します。頑張ってください。

蔭ながら応援させていただきます。

カフェ「さんさき坂」を出て、駅に戻る。駅前の今川焼の店「千駄木」で買い食いをする。「1つ下さい」と言うと、隣にいたおばさんに「今日は冷えるね」と話しかけれた。温かな今川焼を女将さんが「美味しいよ」と言って手渡してくれた。下町である。

大学へ。

記念会堂の解体工事はさらに進んでいる。屋根は手前から奥に向かって解体されているのだ。

もうじき屋根がなくなるだろう。いまが見納めである。

5限・6限はゼミ。

5限はテキストを読んでの発表とディスカッション。6限は先日の合宿を欠席したMさんのゼミ論中間報告とOさんのインタビュー調査ケース報告。

休み時間のスイーツは4年生のYさんが用意してくれた中村屋の「うすあわせ」(パイのような薄皮の饅頭)。

それと3年生のK君がもってきてくれた焼き芋サブレ。

ゼミが終わった後、研究室で3年生のMさんとTさんからの質問に答える。

9時に研究室を出て、「日高屋」で夕食をとる。

期間限定のもつ野菜ラーメン。これがなかなかうまかった。期間中に(いつまでだろう)また食べたい。

10時半、帰宅。

櫻井あすみさんの個展には卒業生の狩野さやかさんも行かれたようである。

最近、彼女が書いたコラムは→こちら

サイトにはワークショップ(10月30日、11月5日)のお知らせも載っています。