7時、起床。
カーテンを開ける。晴天だ。
一階が「ガスト」で、朝食はここで食べる(宿泊客用のモーニングが用意されている)。
あれこれチョイスして、しっかり食べる。
周囲のテーブルではロシア語が飛び交っている。以前は中国からの観光客と居合わせることが多かったが、最近、状況が変わったようである。
デザートはわらび餅。
チェックアウトは11時だが、会員なので、12時にまでいられる。なんでさっさとチェックアウトして、観光をしないのかと思われるだろうが、私にとって「松本」は観光地ではない。「飛び地的な日常の一部」なのである。午前中は自宅で本を読んだり、書きものをしたりして、散歩(外出)は午後にするものである。それは松本でも同じである。
12時にチェックアウトをして(荷物は預かってもらい)、昼食を食べに「ル・コトリ」に行くと、店の外の黒板に「本日貸切」と書かれていた。
ならばしかたがない。他の店に行こう。でも、朝食をしっかり食べたせいで、まだそれほどお腹が減っているわけではない。少し散歩をしてからにしよう。
中町通りにある「蔵シック館」。昔の酒屋の母屋・離れ・蔵をここに移築したものである。いろいろな集会や催しに使われている。
土間の上部は吹き抜けになっている。
見事な棟組だ。
二階に上がってみる。
セルフタイマーで自撮り。
土間を見下ろすと、ロシア人とおぼしき男性が腕組みをしていた。
まだ空腹を覚えないので、カフェで一服することにした。
女鳥羽川の一ツ橋のたもとにある「まるも」。松本で一番の老舗のカフェである(旅館もやっている)。
ゆったりした店内は松本民芸家具のトーンで統一されている。クラシック曲が静かに流れている。
ブレンドコーヒーを注文。
1時間ほど滞在する。そろそろお腹も減ってきた。
「chiiann」でランチにしよう。
昨日に続いての訪問である。
「まるも」とはタイプが違うが、ここも落ち着いた空間作りに工夫が凝らされている。
厨房に面したカウンターの一番奥の席に座る。ここに座ることが一番多いように思う。
パスタを注文し、リンゴジュースを飲んで待つ。
ベーコンとショートパスタのクリームソース。バケットとゆで卵(うずら)とピクルスが付いている。
パスタはちょうどよい歯ごたえで、美味しい。
フードメニューにはほかに、ほうれん草のキッシュ、根菜のクリームスープ、ソーセージとキノコのソテーなどがある。同伴者がいれば、あれこれ注文して、シェアして食べたいところだ。
デザートにシャーベットを注文。甘酒とジンジャーの風味。
お皿はもう完売のようである。
開業して1年半である。「3年は辛抱」と周囲からは言われているそうだ。昨日も今日もほどよくお客さんが入っている印象があるが、毎日コンスタントにというわけではないようである。「人気」というのはあるレベルまで達すると雪だるま式に出てくるものだと思うが、その「あるレベル」までが大変なのである。にぎやかなカフェは苦手な私からすると、あまり人気店になってほしくはないのだが、「まるも」のように地元の人からも旅行者からも愛される店になってほしいので、このブログがお店の宣伝に一役買えればと思うのである。
ブログの読者のみなさん、松本に来たときはぜひ「chiiann」にお立ち寄りください。「フィールドノート」を観て来ました、と言っていただければ・・・お店の方の笑顔が5割増になります(笑)。
店を出ると、朝、あんなに晴れていた空が曇って、小雨が降ってきた。雑貨屋さんでビニール傘(300円)を購入。
中町通りからあがたの森通りに向かって歩く。
こちらも昨日に続いての「栞日」である。
。
帰りのあずさ号は18時半発なので、ここには閉店(18時)近くまで滞在することにしよう。
バター&ハニートーストとコーヒーを注文し、昨日と同じ二階の窓際の席へ。
トースとはガスレンジに網をのせて焼いている。
窓ガラスに雨が滴っている。
二階には私だけという時間が長かったので、全部の席を、フロアーをセルフポートレートで紹介しよう。
この席を私が好む理由は、机上が広くて明るいからである。たぶん精神が健全なのだろう(笑)。
ここは二人でおしゃべりをしたい人に向いている。
その隣のこの席もそうだ。でも、昨日は女性が一人でずっとノートパソコンに向かっていたな。
高いところお本は脚立に乗って。
居眠りするならソファーに限る。お忍びの首脳会談にもいいかもしれない。
こちらの二人用ソファーはカップル向けだろう。でも、私の席の後ろでイチャイチャされるのは困る。まぁ、そういう客はこのカフェには来ないだろうけれど。
このストーブのそばの小さなベンチが落ちつくという人もいるだろう。焚火にあたっているみたいで。
追加注文で、昨日と同じシナモンドーナツとホットジンジャー。
ドーナツの穴は外郭であるドーナツなくしては存在することができない。そしてドーナツもまた穴なくしては存在できない。穴のないドーナツはドーナツではなく揚げパンである。そんな話を四重奏団の誰かが誰かに向かって話していたな。
封筒の中に中古の文庫本が一冊入っているが、どんな本なのかはわからない。ただ、その本からの引用が一行から数行、袋の表に書かれているという商品が並んでいる。「文庫本葉書」というものならしい。こころひかれた本(引用)を切手を貼って誰かにプレゼントするものらしい。一冊、本の厚さに関係なく、一律に750円。
「孤独なのか幸福なのか見当がつきかねた。」
本のタイトルは見当がつきかねるが、たぶん「孤独である幸福」の物語が書かれているのではなかろうか。
上の1冊を含めて5冊ほど購入することにした。誰かに送ろうというわけではなく、自分が読みたいのである。
他の4冊の引用は以下の通り。
「ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、もうひとつの時間が、確実に、ゆったりと流れている。」
「性急にページを繰ろうとする自分に対して、言いきかせます。なんでおまえはそう急ぐのか。急いで何を読もうとしているのか。急ぐくらいなら、いっそ本を閉じてぼんやりしているほうがましではないか。急いではいけない。読むというのは、ゆっくりと読むことなのだから、と。」
「考えようによっては、人間の内面には、本人も気づかない謎の妖怪が住んでいて、それが生涯の重要なときに限って顔を出し、知らぬ間にその人の運命を決しているといってもおかしくはない。」
「『もうじき、ぼくはまた旅に出るんだ』と、心の中で思い出しました。でも、すぐというわけではありませんが。」
さて、そろそろ失礼するとしよう。
「このカフェは、とくに二階は、時間がゆったり流れていて、ついつい長居をしてしまいます」とマスターの菊地さんに言うと、彼は「それは嬉しいお言葉です」と言って、ニッコリとした。いい笑顔である。
雨はもう上がっている。傘は店で使って下さいと置いて行く。傘は天下の回りものなり。
駅に行く途中でホテルによって、預けておいた荷物を受け取る。
発車の20分前に駅に着いた。
構内の売店で夕食の駅弁を購入。お目当ての「山賊焼き」を買えた。
メインは鶏のから揚げである。塩とレモンでいただく。山菜の天ぷらもは入っている。
9時過ぎに新宿に到着。
帰宅したのは10時を少し回った頃。ただいま。
今日から始まった朝ドラ『ひよっこ』と昼ドラ『やすらぎの郷』を録画で観る。岡田恵和と倉本聰、大好きな二人の脚本家の作品をこれから毎日観られるなんて!