フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

4月20日(木) 晴れ

2017-04-21 12:34:57 | Weblog

8時、起床。

トースト、目玉焼き、ウィンナー、サラダの朝食。

昼前に自宅を出て、大学へ。

昼食は研究室でコンビニおにぎり。

3限は大学院の演習。先週、私が書いた論文を渡し、読んできた感想を話してもらう。次回も同じ課題でやるが、一つ注文したのは、たんに読むだけではなくて、自分で何か調べて、それをコメントの中に盛り込むようにするということである。

5限は講義「日常生活の社会学」。今回も早めに切り上げる。一回の講義にたくさんの論点を持ち込まないということ。とくに受講生が確定していない最初の数回はそうだ。ギアを切り替えるのはGW明けからでいい。

「あゆみブックス」で『ドラマ』5月号を購入。定期購読している雑誌ではないが、今回は岡田恵和の単発ドラマのシナリオが3本掲載されているので。

 『35歳・夢の途中』(NHK、1998年)

 『木曽オリオン』(NHK長野放送局、2014年)

 『ここにある幸せ』(NHK福岡放送局、2015年)

 編集後記にこう書いてある。「岡田恵和氏に以前インタビューさせていただいた際、「僕はワーカホリック」とおっしゃっていたのが印象に残っています。そのとき、連ドラを掛け持ちで書いていらっしゃいました。それから今日まで、20年以上毎年連ドラを書かれています。その間に映画やスペシャルドラマを書いているのですから、その旺盛な筆力には驚きます。絶えず連ドラにかかっているので、単発の執筆作品は非常に少ないのですが、それらも全て高い評価を得ています。1話完結の1時間サイズドラマ、コンクール応募の方には何かの参考になると思います。(辻)」

 帰りの電車の中で『ここにある幸せ』を読む。蒲田に着く前に読み終えた。1時間ドラマのシナリオというのはその半分くらいの時間で読めるものである。

 ドラマの冒頭、職場(家電量販店)で過労で倒れた病院に運ばれた主人公の青年につきそっていた職場の先輩が行った言葉。「俺、腹立つんだよね、お前みたいにさ、ボーっとしている、ボーっと生きている奴が一番。イヤイヤ働いて結局倒れて、病院のベッドで生き直したいとか情けない寝言言いやがって。なんだそれ。まだ、こんな仕事をやってられません! 間違ってます! って文句言って辞めていく奴のが好きだわ。それもないんだよな、お前には・・・な」

 これを読んで私がすぐに思い出したのは、岡田恵和が脚本を書いたドラマ『彼女たちの時代』(フジテレビ、1999年)の冒頭で通販会社の苦情処理担当の女性社員(深津絵里)に上司(温水洋一)が同じうようなことを言っていたなということである。ここで先輩や上司がいっていることは、ブラック化している職場環境に適応している人間(経営者から求められている人間像)の言葉だということだ。岡田恵和のドラマの主人公はそうしうた言葉に打ちのめされ、自分が間違っているのか、自分はダメな人間なのかと思い悩む。岡田恵和のドラマは、彼が敬愛する山田太一のドラマがそうであるように、そうした主人公の救済の物語である。救済は他者との交流を通じて行われる。『彼女たちの時代』では主人公と同い年でそれぞれの職場で悪戦苦闘している二人の女性であったが、『ここにある幸せ』は小学校時代の転校生の母親である。家電量販店を退職した主人公の青年は、転校生との約束(いつか彼の家を尋ねる)を果たすべく、葉書に書かれた住所を頼りに福岡県の津屋崎という海辺の町に行く。しかし、転校生の友人はすでに亡くなっていた。彼の母親は東京から友だちが来たら案内したいと彼が言っていた見晴しのよい場所に主人公の青年を連れて行く。そこで青年は転校生の母親の人生の話を聞く。彼はそれを文章にして、印刷し、製本し、転校生の母親にプレゼントする。母親は彼に感謝するが、彼にとって彼女の人生の話に耳を傾け、それを文章にしていく作業はとても楽しく、充実した時間だった。自分はこんなことをやりたかったのだということに彼は気づく。そういう話。

同じく「あゆみブックス」で購入した雑誌『BURUTUS』。「危険な読書」という特集タイトルが目を引くが、「人生を変えちゃうかもしれない」読書という意味である。しかし、「人生変えちゃうかもしれない」が未来のことに言及しているのだとすれば、「あの1冊」は時間的には過去(既知の事物)に帰属しているから、表現がヘンである。「人生を変えちゃうかもしれないこの1冊」か、「人生を変えちゃった(かもしれない)あの1冊」とすべきだろう。もっともあえて時制のねじれを承知で、こういうコピーにしたのかもしれないが、どういう効果を狙ったのかはわからない。

蒲田に着いて「有隣堂」でNHKの俳句のテクスト(5月号)を購入。

6時半、帰宅。

書斎の机の下にすでになつがいる。冬の間だけかと思っていたが、春になっても入ってくるわけね・・・。

夕食はカレーライスとサラダ。

3時半、就寝。