昼食の思想の続き。
「(作業と作業の合間の)気分転換としての昼食」、「作業しながらの昼食」については昨日のブログで述べた。今日は「社交としての昼食」について語ろう。
ちょうど今日の昼食がそれだった。卒業生のサワチさん(論系ゼミ7期生)と「phono kafe」で食事をした。サワチさんというのは下の名前ではない。上の名前でもない。両方を合わせたニックネームだ。
「社交」のコアにあるのは「会話」だ。そして「会話」が持続しやすい状況の代表が「飲食をしながら」ということである。下の写真ではわれわれは向き合って座っている。一番よくある配置だ。これ以外には、並んで座る(たとえば「トンボロ」のカウンター)や、タンジェント的に、つまり隣り合う二辺に座る(たとえば「カフェゴト―の窓際の大きなテーブル)という配置もある。
飲食をしながらの会話のよいところは、目の前に並んでいる料理それ事体が会話のネタになることだ。仕事の話やプライベートな話がメインになるとはいえ、文字通り前菜として、口に運ぶ料理が会話を引き出してくれる。だから料理の美味しい店でなくてはならない。必然的に私の馴染みの店に行くことになるわけだ。
サワチさんは最近、少々夏バテ気味で、食欲がないことが多いそうなのだが、今日は「phono kafe」の美味しくて身体によい料理を「とても美味しいです!」と言ってよく食べてくれた。全部をシェアして食べたので、私が6、彼女が4くらいの感じだったろうか。
ちなみに「会話」が持続しやすい状況というのは「食事」のほかに2つある。
1つは「歩きながら」。つまり散歩をしながらの会話である。
彼女も私同様、街歩きが好きで、今日歩いた本門寺通りは気に入ってもらえたようである。
もう1つは「写真(ポートレート)を撮りながら」。
写真を撮りながら会話を交わすだけでなく、写真を撮るー撮られるという行為そのものがコミュニケーション的な行為なのである。
サワチさんは学生時代、ずっと舞台をやっていた。彼女の舞台を二度ほど観に行ったことがあるが、1つの作品では気の弱い高校生を演じ、もう1つの作品では気の強い大学生を演じていた。どちらも見事な演技だった。そして実際の(とはいってもゼミの教室で知る限りはという意味だが)彼女はそのどちらでもないのである。あるいはそれも素の彼女ではなく、彼女が演じる一つのキャラクターだったのかもしれない。
散歩の最後は、本門寺参道の葛餅(久寿餅)の「池田屋」で、「飲食をしながら」の会話。彼女が手にしているスマホの写真は鎌倉にある甘味処「無心庵」のクリームあんみつの写真である。葛餅を食べながらクリームあんみつの話をしているのである(笑)。
とりあえずショートバージョンで。
ごめん、短くて。