8時、起床。
トースト、サラダ、牛乳、紅茶、林檎のコンフィチュールの朝食。
昨日とは打って変わって朝から前が降っている。でも、ジョン・ラスキンが言っているように、「天気によいも悪いもありはしない。みなよい天気ばかりである。種類が違うだけなのだ」。つまり今日は「雨の降るよい天気」だ。ただし、寒暖については彼は言及していなかった。「雨の降る寒いよい天気」はさすがに強がりのような気がする。
11時半に蒲田駅で卒業生のミサキさん(論系ゼミ6期生)と待ち合わせて、池上の「HITONAMI」に行く。晴れていれば歩いてもいいが、今日は池上線に乗って行く。同じ相手と2日連続のカフェは初めてだ。予定していたことでなく、勘違いの結果だが、原因・理由がどうであれ、「2日連続」は不滅の記録として残りそうだ。
畳席も空いていたが、ストーブの側のテーブル席に座る。土日は混んだり混まなかったりで(今日は空いている日だ)、平日の方がむしろコンスタントにほどよく混んでいるそうだ。主婦の利用が多いのだろう。
昨日は「あらすじ」を聞かせてもらった。今日はカフェめぐり(カフェ+散歩)のうち店内で過ごす時間の比率が大きいことが予想されるから、詳しい話をうかがいますね。
注文してもすぐには料理は出てこない。そこが街中の定食屋と違うところだ。「スローフード」なのだ。なので料理が運ばれてきたときは店に入った直後よりも空腹感は増している。いただきます!
私はメインは霧島鶏の胸肉のトマトソース
金時豆のカレー煮
蒸し野菜の味噌ドレッシング
カボチャのコロッケ
ミサキさんはメインに鳥取ブリの粕漬け焼きをチョイス。そして惣菜三品は、かぼちゃコロッケ、金時豆のカレー煮、里芋と人参の塩煮。普段の生活では魚の料理が少ないので、外食のときは魚料理を好んで食べるのだそうだ。
食後にカフェオレ(豆乳)を注文。
店長のオガサワラさんに写真を撮っていただく。
お店が暇そうだったので(笑)、オガサワラサンとクドウさんもミサキさんと一緒に写真に収まっていただく。
「HITONAMI」には2時間ほど滞在した。彼女もすっかりこの店が気に入ったようである。
本門寺の階段脇の早咲きの一本桜は葉桜になっている。
足元には散った桜の花。
満開時は過ぎたとはいえ、葉桜もよいものである。
ことに雨に濡れてしっとりとした葉桜は美しい。
ミサキさんにとっては今年最初のお花見だったようだ。花見客はわれわれだけ。独り占めの桜です。
傘を差したポートレイト。
晴れていれば池上梅園まで足を延したいところだが、寒いので(彼女は寒いのが苦手である)、本門寺の境内や周辺の小寺の梅でよしとすることにした。
小寺の白梅。
五重塔の側の白梅。
五重塔の手前の坂道の紅梅。
本殿に参拝する。
桜の花の形をした絵馬。
すっかり体が冷えたので門前の葛餅屋「池田屋」に飛び込むように入る。
私は普通のきな粉の葛餅。
彼女は黒ゴマ入りのきな粉の葛餅。この店は黒蜜は客が好きにかけることができる。彼女はたっぷりかけていた。
この店のおでんは美味しい。この時間だと完売のことが多いのだが、今日は客が少なく、まだ注文できた。甘味処にはおでんをやっている店がけこうある(うどんやラーメンや焼きそばを出す店のある)。食事にもなるし、甘いのと辛い(しょっぱい)のとの組み合わせもいい。
温かいおでんに彼女の表情が緩む。
甘味とおでんで元気を回復した彼女はまた話の続きを始めた。キーワードは「タイミング」と「けじめ」である。
話の途中で彼女はふと未来のことに思いをはせる(演出です)。
「池田屋」には1時間ほど滞在した。
店を出て、向かいの古い酒屋の前で「小京都の旅」風のポートレートを撮る。
軒先でのポートレイト2枚。
彼女は表情が豊かである。ほんのちょっと目の開け方や口元の形を変えるだけでまったく別の表情になる(ただし寒くなると表情が固まる)。蒲田駅で彼女は文庫本を読みながら私を待っていたが、それは江國香織『冷静と情熱のあいだ』だった。
本日最後のカフェは「蓮月」。
閉店した蕎麦屋「蓮月庵」をリノベした古民家カフェだ。
空間がゆったりしていて、照明の具合もちょうどいい落ち着けるカフェである。
私はブレンドコーヒー、彼女はチャイラテ(だったかな)を注文。
「蓮月」には30分ほど滞在した。
彼女とは何度もカフェをしているが、「まやんち」のアフタヌーンティーはまだしたことがなかった。意外である。次回はそうしましょう。初夏カフェかな。きッとその頃には「タイミング」や「けじめ」の問題は解決していることでしょう。駅ビルで買い物をしてから帰るという彼女とは蒲田駅で別れた。
夕食は肉野菜炒め、めかぶ、味噌汁、ご飯。
ジンギスカン風である。
2時、就寝。