フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

3月21日(木) 曇り

2019-03-22 20:17:00 | Weblog

8時半、起床。

サラダと紅茶の朝食。今日は普段より早い時間に昼食を食べる予定なので。

庭先の桜の開花が一気に進んだ。 

今日はお彼岸の中日。妻と墓参りに出かける。写真は菩提寺の最寄駅の鶯谷の陸橋から。 

鶯谷駅の界隈は昔からの雰囲気を残している。 

言問通りからスカイツリーを望む。 

 菩提寺は下谷にある。 

 住職の息子さんが線香に火をつけて渡してくれる。4月から中学生だそうだ。

 お寺で妹と合流。

縁側でお茶をいただいて、ご住職の御母堂と少しおしゃべりをしてから、失礼する。 

日比谷線で入谷から仲御徒町へ出て、上野広小路の方へ。 

昼食は「人形町今半」(上野広小路店)を11時半に予約しておいた。 お彼岸の中日は予約しておいかないとまず入れない。

お彼岸の墓参りの後はたいていここで食事をする。 

3人とも同じ今半御膳を注文。 

お造りはマグロとハマチ。 

小鉢は水菜のおひたし。 

茶碗蒸し。 

 ミニすき焼き(+生卵)、香の物、味噌汁、ご飯。

 三人とも今半御膳と書いたが、正しくは、私はミニすき焼きの肉のランクが上の「厳選」を注文した。私はすき焼きが大好物で、しかし、家ですき焼きが出るのは年に二度、年末30日と誕生日(4月11日)だけである。なので春と秋のお彼岸の墓参りの後の「今半」での昼食を楽しみにしているのである。 

デザートは、アイスクリームのほかに、おはぎがおまけで付いてくる。これはお彼岸の中日だけのサービスである。 

「今半」では、秋の彼岸のときは「おはぎ」と呼び、春の彼岸のときは「ぼたもち」(牡丹餅)と呼ぶが、実態は同じものである。 

食事を1時間ほで終え、私は銀座線で上野広小路から溜池山王へ出て、サントリーホールへ。 

2時から早稲田交響楽団(ワセオケ)の定期演奏会があるのだ。 

開演の1時間前に到着。開場はしているが、外のベンチでしばらく時間をつぶす。 

30分前になったので会場に入る。 

自分の席を確認してから(1階 18列の27)、ラウンジでコーヒーを飲む。

以前はコンサート会員プラス(年会費5000円ですべての演奏会にフリーパス)に入っていた時期もあったのだが、ここしばらくワセオケはご無沙汰していた。今回はゼミ3年生でワセオケでホルンを吹いているHさんからチケットをいただいたのである。

 

今回の演奏会のプログラムは以下の通り。

 ウェーバー 歌劇「オイリアンテ」序曲作品81(10分)

 モーツァルト 交響曲第41番ハ長調「ジュピター」K.551(38分)

   休憩

 ブラームス 交響曲第3番ヘ長調作品90(35分)

 R.シュトラウス 交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28(17分))

 作品の特徴や時間配分がよく考えられた構成であると思う。

 ウェーバーの歌劇「オイリアンテ」序曲は今回の演奏会全体の「序曲」にもなっている。たくさんの楽器が一斉に音を出して演奏する祝祭的な音楽は時間も手ごろで、演奏会気分を高めてくれた。

 続くモーツァルトの交響曲第41番ハ長調は、彼の最後の交響曲であり、彼の三大交響曲の1つに数えられる、文字通り有名な(「ジュピター」=最高神)作品である。演奏は少々硬かった。頑張って楽譜通りに演奏している感じであった。ウェーバーの序曲と同じ楽団員で引き続いて演奏すればもっと硬さがとれた演奏が期待できたのではないかと想像するのだが、序曲が終わってメンバーの半分以上が交代していたから、「ジュピター」から壇上に上がった楽団員は幕開けの緊張感から解放されていなかったのだろう。

 20分ほどの休憩を挟んで、おそらく今回の演奏会のメインの作品として演奏されたであろう、ブラームスの交響曲第3番へ長調。これはよかった。今回のプログラムは全曲が長調の作品で構成されていて、それは早春のコンサートとして相応しい感じもするが、実は、春というものには「春愁」という言葉があるように、どこかしらもの憂げな気分が潜んでいるものである。たとえば万葉の歌人、大友家持は「うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとりし思へば」と歌ってる。私自身、いまプチ鬱気味なので(毎年いまの時期はそうなのだ)、能天気に明るく威勢のいい曲ばかり聴かされるのはつらい。しかし、ブラームスの交響曲第3番は、長調の作品とはいっても、多分に短調的なムードを含んでいる作品で、「春愁」の気分にぴったりなのだ。もう少し文学的ではなく、音楽的に言えば、弦楽器の作り出す草原の上を管楽器が奏でる風が吹いているような曲なのである。その風は、快活でありつつも、ときに茫洋として、もの憂げな風でもある(これは各種管楽器の音色を反映している)。

 最後に演奏されたR.シュトラウスの交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」。これもよかった。楽しかった。幕開けの「序曲」が全部の楽器が一斉に音を出す総奏であったのに対して、この作品は個々の楽器が単独で(あるいはグループで)音を出す場面が多かった。オーケストラという全体(組織)の中に埋没するのではなく、それぞれの音色をはっきりと出していた。それはある意味「逸脱」であるのだが、全体はそれを「いたずら」として容認しているのである。つまり一種の「無礼講」である。「逸脱」も度が過ぎれば全体の秩序を脅かすものにながるが、もちろんこの作品ではそういうことにはならず、個々の「逸脱」はしだいに「協奏」へと変わり、秩序あるフィナーレを迎える。 

演奏会の後、日比谷線の神保町から中目黒へ出る。今日はもう1つ寄るところがあるのだ。駅前商店街にある「おかしのまちおか」、その建物の二階に入っている手作り雑貨店「ハイジ」。 

ここで今日からカフェ仲間で陶芸作家の清水直子さんの作品展が始まるのだ。彼女の作品展にはたいてい初日に来ている。 

中央の大皿はDMで使われていたものだが、すでに売約済みになっていた。これが欲しければ朝一番に来なければならない。両サイドの角皿も売約済みだった。どちらも有名な絵画のパロディーである。

でも、まだまだ魅力的な作品がたくさん残っている。 

私が選んだのは彼女の作品にしては珍しい(おそらく初めて見た)急須だった。 

猫の図柄をあしらった急須。ひと目見て気に入った。研究室で使うことにしよう。

作品展は今月31日(日)まで。ただし水曜日(27日)はお店の定休日。 購入意欲の高い方はお早めに!

蒲田に戻ってきたのは午後6時近かった。「ノザワBAKE」は6時閉店だが、テイクアウトしていくことにしよう。 

レモンパウンドケーキとメープルケーキを1つずつ購入。ビスケットをおまけにちょうだいした。 

夕食はカマス、ひじきと大豆の煮物、サラダ、菜の花の味噌汁、ご飯。 

ふっくらとして美味しいカマスの干物。 

ハルが狙っている。 

 食後に「ノザワBAKE」で買ってきたパウンドケーキ(2種)とおまけにいただいたビスケットを紅茶でいただく。

2時半、就寝。