8時、起床。
パン、サラダ、牛乳、紅茶の朝食。
11時半に卒業生のミサさん(論系ゼミ3期生)と目黒線の奥沢の駅前で待ち合わせる。奥沢駅で降りるのはいつ以来だろう。思い出せないくらい昔だ。高校が目黒線(当時の目蒲線)の武蔵小山にあったので、奥沢は通学の途中の駅だった。当時はホームは地下にあった。それがいまは地上に出ている。
奥沢の商店街を少し散歩してから「ポタージュ」という名前のパンとスープの店に連れて行ってもらう。彼女の住まいは西小山にあり、以前、彼女の案内で西小山カフェ巡りをした。その後、彼女は目黒線沿線を散歩しては私を案内してくれるカフェを探索してくれていたのだ。カフェ巡りの案内役ばかりやっている私にとって、彼女のような存在は貴重である。
2人掛けのテーブルが3つの小さなお店である。
スープと自家製パンとドリンクの組み合わせ
私はグリーンピースのポタージュスープ、白パン、リンゴジュースの組み合わせ。サラダとキッシュも付く。
彼女は色々野菜のポタージュスープ、胡桃パン、アイスティーの組み合わせ。
彼女は最近ジャズダンスをやっていて(そういえばスリムになりましたね)、先日は発表会にも出たそうで、そのときの写真を見せてもらった。なかなか街中では着られない衣装を着ていた。
ポタージュスープとパンという食事は体にやさしい。そして日々の幸せを感じさせてくる。
マスターと少し話をした。店をオープンしたのは2012年の6月。もうすぐ丸7年になる。「パン日和あをや」と同じだ。夕食にシェフのお任せメニューというのがあったので、どういうものか聞いたら、「その日ある食材で作るまなかい料理みたいなものです。たとえば、餃子とか(笑)」。夕食がスープとパンだけではものたりないから、そういうものが一、二品あるといいですね。
私たちが入ったときは他に客はいなかったが、すぐに満席になった(テーブル3つだし)。馴染みの客が多いようである。そうでないと丸7年は続かない。近々、東急沿線情報誌『SALUS』に店の紹介記事が載るそうである。そうするともっと混みますね。
あとからネットを調べたいたら、マスターがブログをやっていることがわかった。→こちら
店を出て、お隣の田園調布の方へ歩いてみることにする。
住宅街だが、このあたりは庭の広い家が多く、散歩には向いている。
目黒線にかかる跨線橋を渡り、
環八にかかる歩道橋を渡る。
快晴だが、少し風が吹いている。でも、もう冬の風ではない。ただ、一つの問題は、彼女はスギ花粉症であることだ。
田園調布の駅前まで来た。かつて駅舎(東口改札口)だった 建物がいまはモニュメントとして残っている。
しぐるるや駅に西口東口 安住敦
安住のこの名句は田園調布駅で人と待ち合わせをしているときに詠まれたものである。たんに駅で待ち合わせといっていたが、東口、西口のどちらかを確認していなかったので、相手は反対側で自分を待っているのかもしれない。ケータイなどない時代の待ち合わせにはこんな苦労もあったのである。
現在の田園調布駅には改札口は一つしかない(ホームは地下になり、地上に一つの改札口)。モニュメントのところに立った彼女を西口側から望遠で撮ると向こうに東口側が見える。、
西口駅前には放射状に3本の並木道がある。その左側の並木道を歩く。
しばらく歩くと宝来公園に出る。
まだ梅が楽しめる。
この時点ではまだ彼女の花粉症の症状は大したことはなかった。
ツーショットの笑顔にも余裕が感じられる。
はしゃぐ余裕もあった。
しかし、この先、彼女の写真はしだいに少なくなっていく。少なくともアップは無理になっていく。人生、笑えるときに笑っておくことである。(笑)。
多摩川台公園を歩いて多摩川駅までいくことにする。
多摩川台公園は多摩川の河岸段丘を利用した公園である。
周囲に杉の木は見当たらないものの、この辺りから彼女の鼻がぐずぐずし始め、ときおりクシャミが出るようになった。
田園調布教会。
多摩川台公園は古墳群でもある。
まだ笑えてます(笑)。
多摩川の対岸には武蔵小杉の高層ビル群が見える。
多摩川台公園の終点(多摩川駅側)近く、この辺りから彼女の表情が愁いを帯び始める。春の憂いのことを春愁(しゅんしゅう)という。春の季語である。
春愁の笑みをつくりし鏡かな 吉田すばる
彼女はいままさにカメラに向かって春愁の笑みを作っている。
ここから田園調布駅まで線路の反対側を歩いて戻り(ずいぶんと歩いたことになる)、目黒線に乗って西小山まで行き、彼女の馴染みのカフェの1つ「グローブ・コーヒー」に入ろうと思ったが、生憎満席だったので、空いたら連絡をもらうことにして、すぐ近くの「カフェ・ジョアン」に入る。ここも彼女は何度か入ったことのある店だ。
一昨年の6月にオープンしたカフェで、店名の「ジョアン」は「ボサノヴァの神」「ボサノヴァの法王」と呼ばれるジョアン・ジルベルト に由来する。カウンターの上の棚には彼のLPレコードのジャケットが並んでいる。
私は紅茶と桜のモンブランを注文。「カフェ・グローブ」でチーズケーキを食べたい彼女は飲み物だけ(ロイヤルミルクティ)。
美しく、和菓子のような味わいの桜モンブラン。
西小山に着いてから彼女の花粉症の症状はさらに悪化した。「カフェ・ジョアン」ではたくさんおしゃべりをしたが、周囲の客からは彼女が涙ぐんでいるようにみえたのではなかろうか。私が彼女を泣かしているように見えたかもしれない。ち、違いますから。
「カフェ・ジョアン」に入って間もなく「グローブ・コーヒー」から 席が空いたという連絡をもらったが、すぐにはいけなかった。「カフェ・ジョアン」を出て、もし空いていれば入ろうと行ってみるとちょうど一つテーブルが空いたころだった。
開店3周年記念のブレンドコーヒー(シティーロースト)を2人とも注文。
私はイチゴと生クリームをワッフル生地でサンドしたお菓子を注文。桜のモンブランを食べたばかりだが、昼食が軽めだったことに加えて、たくさん歩いた後なので、ペロリと食べてしまった。
彼女は念願のチーズケーキを注文。
卒業して会社に入って丸6年。 支店の営業職から、いまは本部のデスクワークになった。もう新人ではなく、上司に対しても自分の考えを主張できる立場になった。海外に目を向けた仕事もするようになった。一方、結婚の方もいよいよカウントダウンの段階に来ているように見える。おそらくここ数年の間に彼女は人生にとって重要な選択を次々にすることになるだろう。
店を出たのは午後5時を回った頃。まだ空は明るい。ずいぶんと日が長くなったものである。彼女とは西小山の駅で別れた。また、会いましょう。次は夏カフェかな。
夏カフェといえば、「まやんち」のピーチメルバだが、この4月から「まやんち」は木曜・金曜の週二日営業になる(これまでは金曜・土曜の週二日営業だった。土曜日が営業日でなくなったために、土日が休みで働いている人(多くの人はそうだう)は「まやんち」には行けなくなった。「まやんち」のピーチメルバを食べるためには、木曜か金曜に有給をとらないとならなくなった。「ピーチメルバ休暇」だ。私自身、7月の木曜日は授業があるので、いけない。3年続いている(4年だったかな)「キング・オブ・ピーチメルバ」の地位を維持できるかどうかも微妙である。
蒲田に戻ってくる。
夕食は鶏鍋(菜の花と白菜を入れて)。
2時半、就寝。